『封仙娘娘追宝録11 天を決する大団円(下)』です。長く続いて、富士見ファンタジアの中では一時期かなりの人気シリーズまで昇格した封仙娘娘追宝録の最終巻です。
最後なので、この巻単独のレビューだけでなく、シリーズ全体の総括も。
この巻だけでいうと……ここに至るまで読者を待たせ過ぎでした。上巻が出てからも、この下巻が出るまで時間かかりましたし。なんかその間に、イラストのタッチも、シリーズ前半の頃とは全く変わってしまったようにも感じます。
作者の加齢と病気で体を悪くした影響なのか、文章のキレなど、最盛期よりはずいぶんと質も落ちたのではないかという気がしてしまいます。待ちすぎて読者としてのテンションが下がったという部分は差し引かなければなりませんが。
シリーズ全体としては。
欠点は、なんといっても作者が途中で病気で体を悪くし、刊行ペースが落ち、質的にも最後の方が落ちてしまったこと。長く続いたのはいいが、不必要に時間が長くかかったのは残念です。
ただ、純粋に作品としては、作者独特の文体と、キャラと、SF的なネタを中華ファンタジーにマッチさせたこととの融合で、非常に面白かったです。長編だけでなく外伝短編も、キレがあって良かったです。いくつかの短編作品は傑作と称しても良いくらいの出来のものもありました。短編の中で、幻の最終回というか、トゥルーエンド的なエピもあったような気がしますが。富士見ファンタジアの中で一時期有力なシリーズとして地位を築き上げたのも納得できます。
この巻単体の評価は★3くらいですが、シリーズ全体として★4です。