いずれの店でも、店主が朝一番に魚河岸で選んだネタ自体がとびきり上質で新鮮な上に、半日以上の時間と手間を掛けて念入りに下ごしらえがなされている。これだけの仕事をしていたら美味しくならないわけがないと思えてくるほど、細心の注意が払われている。
コハダ、煮ハマグリ、穴子など江戸前の真骨頂とも言える仕込みの技の数々も披露され、一瞬で食べてしまうには惜しいほどの奥深さが伝わってくる。
ツケ台に置かれたタネ箱は「宝石箱のよう」という著者の言葉にも納得できる一冊となっている。
( 稲田由美子)
(日経レストラン 2002/12/01 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
この魅力的な「江戸前」寿司世界を、食通として名高い嵐山さんの達意の文章と、寿司好き垂涎のヴィジュアル(オールカラー)で描き出したのが、『寿司問答』(著者・嵐山光三郎 撮影・古市和義)です。
「江戸前」と一括りにして語られる寿司。実のところ、それは多様で奥深く、伝統を受け継ぎながらも、それぞれの寿司屋が独自の寿司世界を築いているのです。取り上げている店は、銀座の一流店のみならず、新たな江戸前の仕事を探求している店、酒肴が充実している店、手ごろな値段で美味しいと評判の店など、バラエティに富んでいます。
それら江戸前の名店・話題店を1軒ずつ訪ね歩いたのが、dancyu誌連載の「寿司問答」でした。ネタの仕込みから握りに至るまで、約2年半に渡ってつぶさに取材。それに追加取材をし、嵐山さんの書き下ろし原稿を加え、再構成したのが本書です。
江戸前の寿司のガイドブックにしてもよし、寿司を目で楽しむ家庭版メニューブックにしてもよし。いろいろな楽しみ方ができる、上質の寿司ヴィジュアル本です。 ――掲載店は次の18軒です―― 「すきやばし次郎」「寿司幸本店」「小笹寿し」「鮨 青木」「新太郎」「おけい寿司」「鮨処 新橋鶴八」「鮨 松波」「鮨 奈可久」「鮨 しま一」「吉野鮨本店」「鮨 一心」「すし 與兵衛」「喜寿司」「松栄」「大和寿司」「次郎よこはま店」「寿し 山海」
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