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対談 昭和史発掘 (文春新書)
 
 

対談 昭和史発掘 (文春新書) [新書]

松本 清張
5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

独自の史観と厖大な未発表史料を駆使した傑作『昭和史発掘』を完成後、昭和史の全体を作家の目をとおして描き直す壮大な試みが行なわれた。城山三郎、五味川純平、鶴見俊輔の三氏と語り尽くした「清張昭和史」。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

松本 清張
1909(明治42)年12月、福岡県生まれ。1953(昭和28)年「或る『小倉日記』伝」で第28回芥川賞を受賞。56年、朝日新聞社広告部を退職し、作家生活に入る。63年『日本の黒い霧』などの業績により第5回日本ジャーナリスト会議賞受賞。67年第1回吉川英治文学賞受賞。70年第18回菊池寛賞、90年朝日賞受賞。1992(平成4)年歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 284ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2009/01)
  • ISBN-10: 4166606778
  • ISBN-13: 978-4166606771
  • 発売日: 2009/01
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 濱哲
形式:新書|Amazonが確認した購入
『週刊文春』連載中は、眼を通しても跳び跳びだったし、単行本は、間が空きすぎで途中から買い忘れ、通しで、清張さんの『昭和史発掘』を読んだのは文庫化されてから。従って、文庫本で省かれた本書「番外」編のうちの1本「お鯉事件」と、月刊『文藝春秋』1975年1月号掲載の対談集部分は、僕は初見。
城山三郎氏とは、対談のなかで昭和金融恐慌が語られ、五味川純平氏とは満洲体験が、鶴見俊輔氏とは主に占領期が語られている。
思い起こすと昭和50年という年は、前年からの第一次石油ショックのため、ちょうど現在と同じように世界経済がガタガタになっていた年であり、また、この対談のあと、ベトナム戦争でサイゴンが4月に陥落することになる年だった。自分に引寄せてみると、この年10月、初めて海外取材に出た年となる(1ドル=308円だったよ)。
その昭和50年当時の対談記録を、35年経って、すっかり諸勢力の配置が替った現在を知る高みから見ると、時代的限界に縛られた未来予測の読み間違いなど微笑ましいくらいだが、他方、今では忘れてしまった当時の危機感が蘇っても来る。逆に、当時は誰にでも見えていたはずのことが、いまでは却って見え難くなってしまったというようなケースもあり、時代相の落差に愕然とするが、昨年来のサブプライム債権破綻に発する現在の不況のように、当時の課題が現在まで残って幾つも解決されていないのにも気付かされる。
この対談以後における資料発掘などもあって、もうちょっと昭和史に対する僕の見方はシビアなんだけど、戦後30年目に、高度成長期まえの昭和前半を振返った対談記録が、この昭和50年という時代を、昭和84年(平成21年)になって振返るのに絶好の材料になるというのも、歴史記述には、記述した人間の同時代感覚が必然的に付着するためだからだといえる。
けれども、この間約35年というと、日本人の歴史としては、日露戦争が終わった明治38年から、およそのところ太平洋戦争が始まった昭和16年までのあいだに匹敵し、その35年後がこの昭和50年、さらに35年後に現在が連なるというわけだ。
このような歴史の流れに対し、昭和50年の眼と平成21年の眼と、二つの目玉で複眼的に本書対談諸氏の発言を見ると、歴史のパースペクティブが立体的に浮かび上がって、きわめて興味深い読みものになったといえる。
過去の時代の人々の将来予測が外れたのを笑うことができるのは、現代に生きている我々の特権だが、このような歴史の奥行き感が好く解るだけでも、グッドタイミングの対談集だといえるのではないかと思う。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By zigeunerweisen VINE™ メンバー
形式:新書
清張氏没後にも『松本清張の残像』、『松本清張への召集令状』などの佳作が出版されているが、本書もなかなか読ませる。本書に収録された「お鯉」事件は初見だが、興味深い作品だった。昭和50年の城山三郎氏との対談で、清張氏は警察官募集に応じる若者が増加している事実をとりあげ、「ファッショ化の危険を感じる」と繰り返し嘆かれている。著名人にしてこの程度の予測力と慨嘆されるレビューがあるのも、こうした清張氏のコメントをとらえているのだろう。だが、清張氏は急速にファッショ化する日本で人生のもっとも貴重な時期を送られた方だということを閑却してはならない。こうした時代背景を背負って著作される方が相次いで世を去られたのは、さびしい限りである。なお、九州大学の有馬学氏による巻末解説も含蓄あるなかなかの名文である。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 浦辺 登 VINE™ メンバー
形式:新書
 第一部は松本清張が城山三郎、五味川純平、鶴見俊輔と対談したもの。
 第二部は「昭和史発掘」シリーズに掲載されなかった二作品という二部構成になっている。
 一部においての鶴見俊輔氏との対談を除くと、松本清張と対談者が互いの距離を図りながらの内容であり、どちらかというと松本清張の意見が強すぎるきらいがあり、さほど興味を惹くものではなかった。
 二部においても、「昭和史発掘」シリーズから除外された意味が分かるほど、ゴシップ記事に近く、穏田の行者などは「神々の乱心」のベースになった天津教と思われるものに比べると松本清張の興味を引かなかったのだろう。どこかインパクトに欠ける内容だった。
 そして、「お鯉」事件にしても、途中で論じている内容が松本清張の気持ちの中で右往左往しているのが分かるほど、キレがなかった。
 正直、この一冊の中でおもしろかったのは鶴見俊輔氏の対談内容と有馬学氏の解説だった。特に、有馬氏の解説は本書の仕上げに十分な内容だったが、昭和という時代が少しずつ少しずつ遠ざかっていっているのが分かるものだった。
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