堀文子さんという日本画家。
画業70余年、90歳を超えた現在も新しい出会いがあるのです。
堀さんと尊敬する各界一流の方々との対談集です。
対談のお相手は
吉行あぐり(美容家)
山本夏彦(作家)
青木玉(随筆家)
吉行和子(女優)
岸恵子(女優)
瀬戸内寂聴(作家・僧侶)
樋口廣太郎(アサヒビール名誉会長)
星野佳路・佑一(星野リゾート)
山下洋輔(ピアニスト)
タモリ(タレント)
坂田明(サックス奏者)
花井幸子(ファッション・デザイナー)
片岡孝夫(歌舞伎俳優)
などそうそうたる、粋な方々ばかり
すでに他界された方もいらっしゃって、堀さんいわく
「何十年かのあとこの対談を読む人は個性も仕事も違う私たちの雑談のなかに、
時代とともに消え去ったこの対談の日の日本と、その時代を力強く生きた人々に
注目する日がくるかもしれないのだ」
「日本の一つの時代を堂々と生きたこの稀有な方々の個性の記録」
私がこの本を手にとったきっかけは本文写真を撮られた写真家からです。
私は吉行淳之介さんの対談が大好き。軽妙で洒脱で、ユーモアがあって、やさしい
まなざしに満たされる一つの空間を垣間見れることも。
その吉行さんの素敵な対談と同じような、わくわくドキドキする感覚がよみがえって
不思議な気分で味わえました。
もし、知人の写真家の方がいなかったらこの本とご縁がなかったかもしれない。
あー、出会えた良かった、と心に残る一冊となりました。
この対談を読んでてびっくりしたのは、堀さんという画家は、80歳の手前ぐらいまで
メキシコのマヤ、ペルー、ネパールのヒマラヤに行っていて、2
800メートル級の山をシェルパを雇って、テント生活しながら縦走したそうです。
その後、大病をされ、奇跡的な回復がきっかけで顕微鏡の中に見える極微な世界に惹かれる
ようになるのです。
坂田明さんって、ジャスのサックス奏者とばかり思っていたら、ミジンコの研究でも知られる方で
このときの対談では、神様ってどういうデザイナーなんでしょうか、とか動的平衡の話があり、
すごく面白いです。
それから、幸田露伴、幸田文と続く、青木玉さん。明治のしつけを教え込まれた玉さんとの
格調高い話し方、言葉の選び方に、こちらも背筋がピンと伸びるのです。
対談のあとに、堀さんがコメントを書かれています。
画家ならではのイメージ、映像が言葉に置き換られるようで、文章の素晴らしさにも心を打たれます。
私はなんの予備知識もなかったのですが、今、アマゾンでみたら、エッセイもすごく人気がある
とのこと。大変、失礼いたしました。
それからなんと、時折読み返す、柳澤桂子さんの般若心経をわかりやすく書かれた本のイラストが堀さんだ!
自宅で絵をじっくり見よう。
格調高く、気品があって、観察眼が鋭く、好奇心旺盛で、そして、動物や昆虫のような
感覚で人を見る、柔らかい視点の対談集です。
画集も楽しみに見たいです。