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対話篇
 
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対話篇 [単行本]

金城 一紀
5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (54件のカスタマーレビュー)

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直木賞受賞作の『GO』、また『レヴォリューションNo.3』で、痛快な青春劇を描いてきた金城一紀の中編小説集。「恋愛小説」「永遠の円環」「花」の3編を収録。『対話篇』というタイトルが示すように、いずれも人と人との出会いや、対話を通して生まれる物語となっている。これまで軽快なテンポの小説を得意としてきた著者が、じっくりと人間の関係性に重点を置き、創作に取り組んでいる。

特に印象深いのは、冒頭の「恋愛小説」。親しくした人間がかならずこの世を去ってしまうという、数奇な運命の男が、ただ1度経験した恋愛の顛末を描いている。ひとを愛したいのに愛せない男のもどかしさが胸に迫る、どこか非日常な匂いのする1編だ。

また、余命いくばくもない主人公の復讐を、ミステリー調に描いた「永遠の円環」、老弁護士と青年が過去の記憶をたどりながら、ある目的のため旅をする「花」。どれも死、別離など暗くなりがちなテーマを扱いながらも、さわやかな印象を与える作品である。それは、のっぴきならない状況に陥っても、「間違いない。この世界は素晴らしい」(「花」)と主人公に語らせる、著者自身の前向きな姿勢があるからだ。全編を通して感じられる、生きることに対する真摯な眼差しは、既存の金城作品の根底にも共通するものである。ハッピーエンドで終わる話ばかりではないが、登場人物それぞれの人生が、じわりと心に響いてくる作品集だ。(砂塚洋美)

内容説明

映画化決定! 話題の著者が紡ぐ珠玉の三篇孤独の淵に閉ざされた人びとが、他者との「対話」によって少しずつ世界への扉を開いていく。直木賞受賞の話題作『GO』の著者が贈る、心にやさしく響く作品集。

登録情報

  • 単行本: 250ページ
  • 出版社: 講談社 (2003/1/31)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062115301
  • ISBN-13: 978-4062115308
  • 発売日: 2003/1/31
  • 商品の寸法: 19 x 13.2 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (54件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 346,966位 (本のベストセラーを見る)
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17 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 珠玉の短編集, 2005/12/26
レビュー対象商品: 対話篇 (単行本)
金城一紀の引き出しの広さに驚かされた。

「GO」「ゾンビーズシリーズ」のような躍動感溢れる青春小説かと思ったら、全く反対の静かで哀切な短編集だった。

どれも心にじわっと沁みてくる物語だった。

優しくて、切なくて、哀しくて。

そして愛しくて温かい。

特に「花」は絶品だった。

久々に琴線直撃だった。

今までの作風とは違っているように感じるが、実はテーマは通底している。

それは「現状から一歩踏み出す勇気」

これは、金城一紀が一貫して伝えようとしているメッセージだと思う。

できるだけ多くの人に読んで欲しいと思う。

僕は図書館で借りて読んだのだが、あまりに素晴らしかったので、翌日書店で新品を購入した。
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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 油断していた, 2003/12/6
レビュー対象商品: 対話篇 (単行本)
金城一紀ならば「GO」・「REVOLUTION NO.3」のような青春小説だろうと思い、
図書館の読書室で読んでしまったのですが…。あさはかでした。

ぽつぽつとこぼれ落ち、降るような言葉の中からあふれるものはせつなすぎた。
今までも「板良敷ヒロシ」や「正一」の中に金城一紀の叙情的能力は表れていたのに…。

(読んでない人はわからないですよね、スイマセン。でも読みましょう)

不覚にも、泣かされてしまいました。

さらさらと「死」と「別れ」を語る口調に、限りないいとしさを感じます。

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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 あたたまるお話し, 2005/4/30
レビュー対象商品: 対話篇 (単行本)
チェロの音色のように心臓をゆっくりとあたためてくれる
3つの短編がおさめられてます。
なかでも、わたしが気に入ったのは、「花」です。
先天性の脳腫瘍が出来、いつ破裂するかわからない不安を
抱える青年が、ひょんなことから老弁護士と旅に出ること
になる。車で東京から鹿児島に向かう旅だ。
高速を使わず下道で行く。車で鹿児島に向いながら、
老弁護士は青年に少しづつ旅の目的と自分の過去を話す。
老弁護士は語ることによりしぜんと別れた妻の記憶を
思い出す。記憶が鮮明になるにつれて老人の心はゆっくり
と回復していく。読んでいて思ったのだが、この物語は
死と再生の物語ではないだろうか。

最後に「この世界は素晴らしい」と主人公は言う。
この小説を読んでいると、目の前の風景さえ、愛しく見える。
心を大きく揺さぶられる小説です。

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