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対話篇 (新潮文庫)
 
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対話篇 (新潮文庫) [文庫]

金城 一紀
5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (55件のカスタマーレビュー)
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直木賞受賞作の『GO』、また『レヴォリューションNo.3』で、痛快な青春劇を描いてきた金城一紀の中編小説集。「恋愛小説」「永遠の円環」「花」の3編を収録。『対話篇』というタイトルが示すように、いずれも人と人との出会いや、対話を通して生まれる物語となっている。これまで軽快なテンポの小説を得意としてきた著者が、じっくりと人間の関係性に重点を置き、創作に取り組んでいる。

特に印象深いのは、冒頭の「恋愛小説」。親しくした人間がかならずこの世を去ってしまうという、数奇な運命の男が、ただ1度経験した恋愛の顛末を描いている。ひとを愛したいのに愛せない男のもどかしさが胸に迫る、どこか非日常な匂いのする1編だ。

また、余命いくばくもない主人公の復讐を、ミステリー調に描いた「永遠の円環」、老弁護士と青年が過去の記憶をたどりながら、ある目的のため旅をする「花」。どれも死、別離など暗くなりがちなテーマを扱いながらも、さわやかな印象を与える作品である。それは、のっぴきならない状況に陥っても、「間違いない。この世界は素晴らしい」(「花」)と主人公に語らせる、著者自身の前向きな姿勢があるからだ。全編を通して感じられる、生きることに対する真摯な眼差しは、既存の金城作品の根底にも共通するものである。ハッピーエンドで終わる話ばかりではないが、登場人物それぞれの人生が、じわりと心に響いてくる作品集だ。(砂塚洋美) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

本当に愛する人ができたら、絶対にその人の手を離してはいけない。なぜなら、離したとたんに誰よりも遠くへと行ってしまうから―。最初で最後の運命の恋、片思いの残酷な結末、薄れてゆく愛しい人の記憶。愛する者を失い、孤独に沈む者たちが語る切なくも希望に満ちたストーリーたち。真摯な対話を通して見出されてゆく真実の言葉の数々を描いた傑作中編集。

登録情報

  • 文庫: 244ページ
  • 出版社: 新潮社 (2008/6/30)
  • ISBN-10: 4101351511
  • ISBN-13: 978-4101351513
  • 発売日: 2008/6/30
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.8 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (55件のカスタマーレビュー)
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17 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
珠玉の短編集 2005/12/26
By occhi
形式:単行本
金城一紀の引き出しの広さに驚かされた。

「GO」「ゾンビーズシリーズ」のような躍動感溢れる青春小説かと思ったら、全く反対の静かで哀切な短編集だった。

どれも心にじわっと沁みてくる物語だった。

優しくて、切なくて、哀しくて。

そして愛しくて温かい。

特に「花」は絶品だった。

久々に琴線直撃だった。

今までの作風とは違っているように感じるが、実はテーマは通底している。

それは「現状から一歩踏み出す勇気」

これは、金城一紀が一貫して伝えようとしているメッセージだと思う。

できるだけ多くの人に読んで欲しいと思う。

僕は図書館で借りて読んだのだが、あまりに素晴らしかったので、翌日書店で新品を購入した。
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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
油断していた 2003/12/6
形式:単行本
金城一紀ならば「GO」・「REVOLUTION NO.3」のような青春小説だろうと思い、
図書館の読書室で読んでしまったのですが…。あさはかでした。

ぽつぽつとこぼれ落ち、降るような言葉の中からあふれるものはせつなすぎた。
今までも「板良敷ヒロシ」や「正一」の中に金城一紀の叙情的能力は表れていたのに…。

(読んでない人はわからないですよね、スイマセン。でも読みましょう)

不覚にも、泣かされてしまいました。

さらさらと「死」と「別れ」を語る口調に、限りないいとしさを感じます。

このレビューは参考になりましたか?
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
チェロの音色のように心臓をゆっくりとあたためてくれる
3つの短編がおさめられてます。
なかでも、わたしが気に入ったのは、「花」です。
先天性の脳腫瘍が出来、いつ破裂するかわからない不安を
抱える青年が、ひょんなことから老弁護士と旅に出ること
になる。車で東京から鹿児島に向かう旅だ。
高速を使わず下道で行く。車で鹿児島に向いながら、
老弁護士は青年に少しづつ旅の目的と自分の過去を話す。
老弁護士は語ることによりしぜんと別れた妻の記憶を
思い出す。記憶が鮮明になるにつれて老人の心はゆっくり
と回復していく。読んでいて思ったのだが、この物語は
死と再生の物語ではないだろうか。

最後に「この世界は素晴らしい」と主人公は言う。
この小説を読んでいると、目の前の風景さえ、愛しく見える。
心を大きく揺さぶられる小説です。

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投稿日: 2008/12/24 投稿者: yu:sdi
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投稿日: 2008/12/18 投稿者: 萩原 湖太郎
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