最近は少しずつ変わってきたが、中朝関係といえば、以前は北が暴挙にでるたびに「裏で糸を引いているのは中国だ」、というような物言いが、まるで常識かのように語られていた。中国、北朝鮮……親子、兄弟のような関係……ほとんど一枚岩……そんな風に思われ、いや、今でもそう思っている人もいるかもしれないが、実際の姿は、どうもそんな簡単単純なものではなかったようだ。日中、日朝の関係は考えても、中朝関係など、私も含め、ほとんどの人は真剣に考えたことがないだろう。だから、その関係を語るとき、どうしても単細胞的なりやすく、黒か白か、敵か味方かといった、いわばブッシュ的思考に捉えられてしまう。
だが、国際関係というのは、やはり、そんな簡単に割り切れる世界ではないらしい。この本を読むと、中朝関係というのが、いかに複雑で、微妙で、シビアなものか、よくわかる。私は特にこの二つの国に興味があるわけではないが、ともかく、この本の内容は実に新鮮であり、刺激に満ち、かつ面白い。読み出したらほとんど止まることができないほどだ。
拉致問題を別とすれば、アジア外交など、特に興味を持ってきたわけではないが、こういう本を読んだ後では、その見方が変わってくる。行間、その裏側にある思惑や戦略など、つい考えてしまうだろう。外交とは、まさにそれの積み重ねなのかもしれない。