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寺田寅彦随筆集 (第1巻) (岩波文庫)
 
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寺田寅彦随筆集 (第1巻) (岩波文庫) [文庫]

寺田 寅彦 , 小宮 豊隆
5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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登録情報

  • 文庫: 305ページ
  • 出版社: 岩波書店; 改版 (1963/01)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4003103718
  • ISBN-13: 978-4003103715
  • 発売日: 1963/01
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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26 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
珠玉の随筆集 2004/1/11
By s.ペガサス VINE™ メンバー
形式:文庫
 文豪・夏目漱石の高弟で、当時東京帝国大学で物理学の教授であった寺田寅彦の随筆集。
 
 随所に科学者としての目線で物事を面白おかしく、随筆としてしたためられていて、本書を読むことによって、単一的なものの見方を改めさせてくれた様に思う。

 中でもこの第一巻の最初に書かれている「どんぐり」の話が私は一番好きである。

 夭逝した妻への暖かい眼差し、しかし少し距離を置いて客観的に妻への思いを書き綴った文章に涙があふれた。
 
 最後に亡妻と同様に無邪気にどんぐりを拾って喜んでいる残された娘への思いも、温かな気持ちにさせてくれた。

このレビューは参考になりましたか?
23 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 氷結ストロング VINE™ メンバー
形式:文庫
名はもちろん知っていたが、物理学者の随筆ということでずっと引いていた。内容は、いくつもの手ごろな長さの随筆が集まった文庫である。「科学者と芸術家」ではこれほど著名な著者でもやはり一科学者なのだ、と気づかされる。「自画像」で何度も何度も描き直す、というくだりは何度読んでも噴きだしてしまう。「芝刈り」等で分かるように、この著名な作者の鋭い観察眼が感じ取られる。「ねずみと猫」で当時の市民生活が伝わってきてその楽しみと、また著者ならではの観察眼、大らかで優しいまなざしが感じられる。「笑い」は、ふざけていると思う人もいるかもしれないが、これは「笑い」を生理学的に大真面目に記述したものである。科学者としての視点で正確に記されているのがたまらなく高尚で(ハイセンスで)、またたまらなくおかしい。本当に笑いが止まらない、大傑作である。思うに、氏の作は教科書等によく使われているのであろうか。日本語を学ぶもの(or日本人)であれば、必ず読んでおきたい随筆である。
このレビューは参考になりましたか?
15 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By patella
形式:文庫
 物理学者で俳人でもあった著者は随筆の名手としても知られていますが、この随筆集5冊のそれぞれに、心に残る色あせない眼差しの文章がみつかります。

 「私は生命の物質的説明ということからほんとうの宗教もほんとうの芸術も生まれて来なければならないような気がする。ほんとうの神秘を見つけるにはあらゆる贋物を破棄しなくてはならないという気がする。」第一巻では「春六題」にこんな言葉があります。科学者らしい、宗教や芸術を考える言葉だと思います。「田舎では草も木も石も人間くさい呼吸をして四方から私に話しかけ私に取りすがるが、都会ではぎっしり詰まった満員電車の乗客でも川原の石ころどうしのように黙ってめいめいが自分の事を考えている。そのおかげで私は電車の中で難解の書物をゆっくり落ち着いて読みふける事ができる。」こんな「田舎雑感」の文章は、通勤電車の中ののつらさを和らげてくれる優しさがあります。

 探求し、分析する視点は科学者であり、対象を暖かく見つめ、受け止める視線は人間的であり、著者の感性あふれる文章は、読む人それぞれに新鮮な視線の驚きを与えてくれるのではないでしょうか。

 ゆっくり、ゆっくり、読んでください。加速し続けている、時間との、他者との競争の毎日。その最たるものの一つである科学の中にも、一人ひとりの科学者の中にも、著者のまなざしのようなものがきっと奥底にあるのです。これほどVividな言葉にならなくても。そう信じたくなってきます。

 寺田寅彦が俳句雑誌「渋柿」に載せた随想を集めたものが、岩波文庫から「柿の種」として出版されていますが、こちらも寺田寅彦の感性に触れるにはよい一冊です。
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