本書では、最後に、
「この小説に描いたような経済的幸運が、私を含め一般の弁護士に訪れることはない。
理論上は不可能ではないにしても、現実的には99.9%ない」
と書かれています。
経済的幸運どころか、
小説に書かれていること自体が現実的には99.9%ない
ので、内容自体がリアルさに乏しいです。
つまり、
・損保が訴訟で偽証用の目撃証人を仕立てて、報酬を支払ったり、
・損保が相手側弁護士事務所に役員の娘をスパイとして送りこんだり、
ついには、
・損保が役員会で目撃者の殺人を話し合い、実行に移したりと、
こんなことは99.9%ありえません。(いくら小説とはいえ)あまりにも現実離れしすぎています。
一方で、小説中の
「保険会社というものは、保険金の支払いを免れるためなら、何でもしますよ。」
というベテラン弁護士の発言は、
(日々の業務で損保と争っている)著者の本音であり主張とも感じられます。
さて、
第一東京弁護士会は10年12月27日、依頼人の交通事故の後遺症を誇張したとして
、本書の作者である、加茂隆康弁護士(61)を業務停止4カ月の懲戒処分としたそうです。
損保が事故内容をでっちあげ殺人まで犯すというような、
99.9%
ありえないような話を書いた小説の作者が、
交通事故の後遺症をでっちあげて懲戒処分されたという
99.9%
ありえないようなことが現実に起きたことは、何とも皮肉としかいいようがありません。
(作者にも言い分があるでしょうから、是非聞きたいところです)