モト冬樹というのは不思議な存在だ。いや、僕は別に彼主演の映画『カツラ刑事』を話題にしたいんじゃない。島崎和歌子をはじめ多くの女性芸能人との交遊がおおっぴらに語られながら、彼女らとの「浮いた噂」、いわゆる色恋沙汰に発展したという話はついぞ聞いたことがないのだ。実は、彼は早過ぎた草食系男子なのか。
そんな彼が繰り出す新書、その名も『寝ない関係』。どストレートすぎる、どストレートすぎるよ冬樹さんと言いたくなるが、このタイトルはそんな彼ならさもありなんというべきか。
本書で彼が主張するのは、異性とのセックスをしない関係構築だ。肉体関係が絡むとどうしてもややこしくなる。ややこしくなるとめんどーだから、セックスのない楽しい飲み友達の域に“あえて”とどまる。そんな関係もいいじゃんというのが彼の発想だ。
男性読者がこの瞬間ほのかな殺意を覚えるとすれば、それは「そもそも寝る関係になれてねーよ!!」という所から来るものだろう。案ずるな。終章はそんな殿方にQ&A方式で悩みに答える、その名も「寝たくても寝れない人たちへ」。ここまで来ると嫌みなのか何なのかわかんなくなってくるが、著者の自信が凄まじいのだけは確かだ。
ところで、著者が認めるこの「寝ない関係」の定義が実はややこしい。あくまでそれは、女として見れる相手なのだそうだ。寝たいと思える相手と、あえて寝ない。だからこそ意義があるというよくわからん著者の理屈なのだが、そんなの本当かよ?と疑いの眼差しを向ける人もいるはず。そんな読者に正直な彼は本書冒頭部で早くも告白する。実は、20代のころは「寝まくっていた」のだと。三股も経験あり、三人が三人とも自宅から徒歩圏内にいたという仰天エピソードまで飛び出す。
「つーか、若い時に無茶して、今は落ち着いたってだけなんじゃねーの?」というつっこみは、今年結婚する予定の彼にはしない約束だぜ、兄弟?