鶴田 謙二さんの影響が強いが未だ登場人物の顔がぎこちない未発表作「水槽の街」から、「蝋燭姫」の直前作で、フルゥの原型キャラ「よしこちゃん」が登場する「少女というより痴女だった」まで、作者のキャラクターデザインと、綿密な背景、漫符や効果線を殆ど使用しない特異な作風の確立を追える短編集です。
表紙に描かれているなぜかビラ配りのバイトをしながら人間界に暮らすジャージ姿の悪魔っ子よしこちゃんがレンタルビデオ屋のお姉さんと友達に為りたくてしょうがない健気な様子に感情移入してしまう「少女というより痴女だった」がメタな漫画でしか成し得ない表現共々素晴らしいです。
他も鈴木健也氏の一目見たら忘れられない個性に溢れた、ついつい何度も読み返してしまう愛すべき作品ばかりです。ホクロ、肌の色、そばかす、にきび、大きな乳輪の描き込みと言う皮膚感へのフェティッシュなこだわりも多く見受けられます。
前記の未発表作に加えて、『友達だなんて思ってないんだ』の主人公、芹沢くんと工藤くんを流用した書き下ろしの四コマが巻末に収録されて居ます。