多くのフジミファンの期待通りに悠季が優勝し、爽快な読後感だった前巻『天上の愛 地上の愛』の直後からのスタート。
以下ネタバレあり。
祝勝会、ガラコンサート、初めての密着取材など様々なエピソードから、悠季の成長ぶりを見てとることができます。
音楽に対して誠実であろうとする清廉な性格はそのままに、主張すべきときは主張し、人前で大胆に振舞い、ともすれば女々しくもあった内気さを脱ぎ捨てることで、男性としての魅力が増したようです。
彼本来の良さが世間的に認識されるのも時間の問題。となれば圭の心中も穏やかではないでしょう。
その圭との関係については、伏線と思わせるものが全体に散っています。
恋人同士であり演奏家同士でもある二人が、今後どのようにバランスを取っていくのか、悠季の露出に複雑な思いを持っていたはずの圭がマネジメント問題をどう運ぶのか、記憶力抜群の彼が本当にT&Tのことを失念していたのか、何度か言いかけた言葉は何か…。
二人の時間が多くないこともあり、圭側の感情の機微が充分に描かれなかったところに多少の物足りなさがありますが、それが次への期待感を膨らませているとも思います。
次回作がいまから楽しみです。