富士山はいまや日本の象徴だと当たり前のように思われている。
だが、いつごろからそう思われていたのか・・・と聞かれると、よく知らない。
本書は日本史の中において、富士山がどのように認識され、いつからシンボルとして扱われてきたかをたどっていくというもの。
視点の面白さだけでなく、読みやすくもしっかりとした内容の好著です。
基本的に「日本のシンボルである偉大な山」というイメージはずっと変わらないのだが、時代によってはそこに「富士山は噴火を繰り返す恐ろしい山」というイメージが加わる。
今、我々はそうした「恐ろしい富士山」という認識をあまり抱いていないため、これは非常に新鮮な視点だった。
つまり、先人たちが富士山について言及するときの視点は、決して今我々が持っている
「美しくて雄大な山」
というものだけではないということだ。
また、富士登山というものが、江戸時代にかなり盛況であり、それを担っていたのが武士や貴族という上流階級ではなく、庶民たちであったことも興味深かった。
そんなこんなで、いろいろな発見がある本だった。