著者の歴史好きが昂じて書いてしまったかのような本です。著者はたくさんの歴史書を読み、頭の中にある著者なりの歴史観を展開しています。ゆえに序文では、念を押すかのようにプロの歴史研究者でないことを二度も前置きしてあります。扱っている歴史が第二次世界大戦ですので、それはそれは世界の多くの人がそれぞれの史観を持っていることでしょう。前置きをしておかねば八方から細かく指摘を受けてしまいます。現に日本人として、首を傾げてしまう記述がいくつか出てきますので、歴史にとても詳しい方には少々苦痛かもしれません。また、本書の7割くらいの頁を戦争の描写に割いてありますので、戦争に興味が湧かない方には退屈極まりないといえます。著者は戦争の描写に暴走していますが、一応本書は「市場の先見の明、そして、有事の際に資産をどう守るか」という目的で書かれています。その部分のみを知りたい方は、200p〜280p、365p〜、辺りを読むといいです。無秩序な世界で身と資産を守るのがいかに難しいかが判ります。
本書の翻訳は望月 衛さんですが、この方が翻訳された本はどれもとても読みやすくていいです。本書が面白く読めたのも、この方の翻訳がとても良かったからというのもあると思います。第二次世界大戦、続く、朝鮮戦争に興味がある方は軽く読んで知ることができますので、ちょっとした入門書としても良い本です。チャーチルやヒトラーなどの人物がいきいきと描かれています。