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密閉教室 (講談社文庫)
 
 

密閉教室 (講談社文庫) [文庫]

法月 綸太郎
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

机と椅子がない! からっぽの教室で、コピーの遺書を残し、19歳の圭介は死んだ。窓には錠、ドアには目張り。順也が級友の死の謎を追いつめた時、彼は青春という“密室”の中にたたずむ自分を見つける。周到に張りめぐらされた伏線。たった1日の、三重四重の逆転劇。23歳の処女作にして、これは不朽の名作!

--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

早朝の教室で、高校生中町圭介は死んでいた。コピーの遺書が残り、窓もドアも閉ざしてある。しかも異様なことに四十八組あったはずの机と椅子が、すべて消えていた。級友工藤順也がその死の謎に迫るとき次々現れた驚愕すべき真相とは?精緻な構成に支えられた本格推理の力作。

登録情報

  • 文庫: 362ページ
  • 出版社: 講談社 (1991/09)
  • ISBN-10: 4061849905
  • ISBN-13: 978-4061849907
  • 発売日: 1991/09
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 現実離れと現実とが、最後に合致する?, 2003/2/10
By 
pfs7 - レビューをすべて見る
(殿堂入りレビュアー)   
レビュー対象商品: 密閉教室 (講談社文庫) (文庫)
法月綸太郎のデビュー作。
朝の教室で喉を掻き切って死んでいたのは7R組の中町。級友で推理小説マニアの工藤順也は、独自の推理をめぐらすうちに、担当刑事森の”お墨付き”を得て捜査を開始するが、自殺説に固執する教師、危険なクラスメート、謎めいた女生徒らに惑わされ、推理は一進一退・・・。

処女作ということもあってか、全体に余りにも「学園もの」のパターン。特に教師陣にはまるで個性がなく、唯一それらしいものがある担任教師は、逆に余りにもわかりやすすぎる。生徒たちも、こういう高校生もいなくはないかという、あくまでカリカチュアライズの範囲内で許せるとしても、女生徒2人のミステリアスさはいかにもで、事件のカギであるとわかってはいても少々辟易する。

しかし、「いかにもなだけ」に飽きてきた頃、主人公のピンチから一気に謎解きになだれこむ。このドラマチックさもまあパターンといえなくもないが、以後は謎が解けたかと思わせてからの引っ張りぶりが見事。トリックも特に目新しくはないが、探偵を自認する主人公や森刑事の思惑を超える事態が次々出来する数回のどんでん返しがあり、犯人は実は最初からうすうす予想は出来るものの、最後まで楽しめる。
結末は、シュールというか非常に皮肉なものである。

この、最後の最後で”探偵”そのものを嗤うような作りは、処女作ながら探偵の本質をある程度突いていて見事だと思うし、この部分が全体のリアリティの希薄さ(本格推理にしても少々薄すぎ)を救っている。現実離れしたいかにもな学園ものが、ありえなくはない現実と最後になって合致し、完璧な推理物とは言いがたいまでも単なる学園推理を超えたものになっている。その後の活躍は衆目の知るところである。

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8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 クィーン流学園ミステリ, 2007/10/6
By 
紫陽花 "玲瓏" (神奈川県相模原市) - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)   
レビュー対象商品: 密閉教室 (講談社文庫) (文庫)
作者のデビュー作。高校生名探偵の"工藤"が警察の助力願いに応じて、密室状態の教室で起きた殺人事件を解くと言う「名探偵コナン」のような作品。工藤のセリフ「おまえが犯人だ !」がポーの作品名だと分かる方は相当のミステリ通。この他、チャンドラーやカフカを引用する等、デビュー作らしい気負いと衒学趣味が見られる。

密室の構成法はチャチであるが、教室から全ての机が移動されているという一見奇抜なアイデアがクィーンの「チャイナ橙」をベースにしている点を作中でアッケラカンと明かしているのは作者の生一本な性格によるものか。冒頭でその「チャイナ橙」に言及しているのは逆に茶目っ気だろう。犯人の設定は平凡で、冒頭で犯人の予想が出来てしまう。ヴァン・ダイン「カブト虫」と同じ狙いか。このような事件では、犯人を含む登場人物の性格、人間関係、恋愛模様の細かな描写が必須だと思うのだが、この辺曖昧で、"ほのめかし"程度に終っており、最後にそれが前面に出て来る展開はミステリの宿命とは言え苦しい。動機の一部とも関係するが、事件の背景が薄汚いのも学園ものとしては後味が良くない。これらの欠点にも係らず、学園小説としてテンポ良く読め、途中までは密室の謎で引っ張る手腕は中々のもの。作中で観念論を振り回す教師が出てくるが、それに対して工藤があくまでクィーン流の論理で頑張る姿勢は潔い。

デビュー作としてはマズマズの出来だと思う。その後の作者の活躍を考えると、順調なスタートと言うべきか。
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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 学校嫌い, 2006/3/28
By 
志村真幸 - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)    (トップ500レビュアー)   
レビュー対象商品: 密閉教室 (講談社文庫) (文庫)
 1988年に出た講談社ノベルスの文庫化。ちなみに2002年にはノーカット版も出ている。

 学校を舞台にしているが、青春ミステリではないところが良い。むしろドロドロとした陰惨な話で、登場人物たちもそれぞれの汚さを抱え込んでいる。まあ、キャラクターの描き込みが出来ているかというと、決してそうではないのだが、学校というものへの著者の恨みや憎しみ、不信感が伝わってきて読み応えがある。

 トリックも練り込まれていて素晴らしい。しかも、デビュー作ということもあってか、いくつものトリックが惜しげもなく使われている点が嬉しい。

 後味の悪いところも初期の法月らしくて良かった。
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