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密約―外務省機密漏洩事件 (岩波現代文庫)
 
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密約―外務省機密漏洩事件 (岩波現代文庫) [文庫]

澤地 久枝
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

沖縄返還交渉で、アメリカが支払うはずの四百万ドルを日本が肩代わりするとした裏取引―。時の内閣の命取りともなる「密約」の存在は国会でも大問題となるが、やがて、その証拠をつかんだ新聞記者と、それをもたらした外務省女性事務官との男女問題へと、巧妙に焦点がずらされていく。政府は何を隠蔽し、国民は何を追究しきれなかったのか。現在に続く沖縄問題の原点の記録。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

澤地 久枝
1930年東京生まれ。両親と共に「満州」に渡り、敗戦で引き揚げる。早稲田大学第二文学部卒業。中央公論社勤務を経て、ノンフィクション作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 324ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2006/8/17)
  • ISBN-10: 400603136X
  • ISBN-13: 978-4006031367
  • 発売日: 2006/8/17
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.8 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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64 人中、54人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ringmoo トップ500レビュアー
形式:文庫
沖縄返還における日米間の「密約」をテーマにした本ですが、その底辺には、裁判において、権力によるその事件の本質の矮小化の片棒をかずかされた一人の女性、蓮見への同性であり同世代人であることでの思いやりに溢れた文章になっています。

論理的に裁判を追い、「国民の知る権利」の重要性を論じる筆と、検察の論理に乗った供述を繰り返す蓮見に対する情愛溢れる筆が同居した、魅力的な文章で読ませてくれます。

それにしても、沖縄戦からほぼ30年にして起きたこの事件で、争われたジャーナリストの取材する権利(それは、敗戦によって勝ち取った「民主主義」の根幹である)は、更に30年を経た現在どうなってしまったのだろうかと思います。

この「外務省機密文書漏洩事件」にしても、「密約」の論理が「下半身問題」に摩り替えられ、政府は「密約」はなかったと、「国民の知る権利」に蓋をしています。アメリカで公開され、当時のアメリカ局長がその存在を認めているのに、未だ政府は認めようとしていません。しかも、この「密約」は氷山の一角にしか過ぎないということですから、空恐ろしくなります。

選挙の時にしか、省みられない「国民」では、いつになったらこの国に「民主主義」は、本当の意味でうまれるのでしょうか。暗澹たる気持ちになってしまいます。

それにしても、これだけ重いテーマを、こうも読みやすい文章で書き上げている作者の実力に感服しました。
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7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
「運命の人」を読み沖縄返還の顛末に興味が湧き、本書を読みました。

裁判の過程で著者が感じたことを訥々と書いている分、
正直、読み難さを感じましたが、生生しさも伝わりました。

国民の知る権利を中心に渡り合おうとした弁護側に対し、
執拗に話題を男女問題に逸らせようとする検察。
そして、それを容認する裁判官。

密約の内容の是非はともかく、検察は堂々と対峙して欲しかったと思いました。
密約自体もそれを否定はしませんが、せめて国民をないがしろにしない
程度のモラルを政治家には求めたいなと思いました。

やはり、アメリカのように、公文書の公開はこのモラルを維持するためにも
必要なのかなと思えました。
このレビューは参考になりましたか?
20 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 正義の味方 トップ500レビュアー
形式:文庫
1971年佐藤栄作政権下で沖縄返還に際し、米国が支払うべき軍用地現状回復費用4百万ドルを日本政府が秘かに肩代わりして支払う沖縄秘密協定。その秘密電信文が女性外務事務官から毎日新聞西山太吉記者に渡り、そこから社会党の横路孝弘議員に渡ったが、佐藤政権はそういう事実は一切なしとした。その責任は新聞記者と女性事務官の「ひそかに情を通じ」「申し迫り」という検察の起訴状に見事にすり代わった。東京地裁第701号法廷の外務省機密漏洩事件のやりとりが克明に再現される。時は祖国復帰運動が高まり外交交渉の大詰めである。機密とは権力の都合よく、時には秘匿され時には世論誘導に使われる。新聞はその過程を報道するものである。そもそも新聞社はニュースソースの秘匿を第一義に重んじる。取材内容の報道や処理は最大級の慎重さが必要である。また記者の扱いによっては国家的大事業である沖縄返還に致命的な結果を招致してしまう危惧がある。ギリギリのところで記事にしていた。そして外務省の審議官付き外務事務官に記者は近づき関係を結んだ後は、回覧資料を「頼む」の一言で機密漏洩が始まっていく。いつのまにか世論も含めて、記者の犯行は「極めて悪質・重大」「道義的・倫理的に遺憾」「取材の正道逸脱」になっていった。本書が2作目の澤地久枝氏は本公判を真正面から捉え硬軟取り混ぜた主張をしている。山崎豊子氏の「運命の人」の参考書として読んだ。態度大きく横柄ながら、敏腕な政治記者としての職業意識と多くの周囲に大迷惑をかけた新聞記者、ひたむきな弱い女心と大胆なしたたかさとを持つ外務事務官、そして闇の中の秘密協定と、複雑かつ鋭敏な事件だ。これは米軍の駐留経費負担の思いやり予算に受け継がれる。また私の関心事は、内閣官房報償費(機密費、『民主党官房長官』が09年9/10月で1.2億円計上)、外交政策用の外務省報償費(年間50億円近い計上)、警察の捜査報償費につながる。
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