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密林の語り部 (岩波文庫)
 
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密林の語り部 (岩波文庫) [文庫]

バルガス=リョサ , 西村 英一郎
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

都会を捨て、アマゾンの密林の中で未開部族の「語り部」として転生する一人のユダヤ人青年……。インディオの生活や信条、文明が侵すことのできない未開の人々の心の砦を描きながら、「物語る」という行為のもっとも始原的な形である語り部の姿を通して、われわれにとって「物語」とはどのような意味を持つのかを問う傑作。

内容(「BOOK」データベースより)

都会を捨て、アマゾンの密林の中で未開部族の“語り部”として転生する一人のユダヤ人青年の魂の移住―。インディオの生活や信条、文明が侵すことのできない未開の人々の心の内奥を描きながら、「物語る」という行為の最も始原的なかたちである語り部の姿を通して、現代における「物語」の意味を問う傑作。

登録情報

  • 文庫: 368ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2011/10/15)
  • ISBN-10: 4003279638
  • ISBN-13: 978-4003279632
  • 発売日: 2011/10/15
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.9 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 32,293位 (本のベストセラーを見る)
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10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
買いです。 2011/12/19
形式:文庫
 「新潮・現代世界の文学」で出ているものはタイミングを逃がしてついに手に入らなかったので、岩波の文庫化でやっと読みました。
 本作は、巻末の「訳者あとがき」でも触れられているように、「時間や空間の枠組みを取り外して、毎日の出来事も、過去の出来事も、目の前のことも、遠い森のなかで起こっていることも」「同時に語っていくやり方」を採っています。そう聞くと、なにやら難解複雑でたじろぎそうになるかもしれませんが、ただ、「実行されてみると、特別、変わった方法ではな」く、これまでに何冊かリョサの著作に親しんだ方であれば、「緑の家」ほど「セルバ」で迷子になることはないと思います。「語り」によって残された痕跡を丹念にたどっていけば、その「密林」性こそリョサの楽しみどころであるので、南米の作品を読みなれている方は、むしろ物足らなさを覚えるかもしれません。
 内容については、読む楽しみを削ぎかねないので遠慮しますが、「話をするということは単なる娯楽以上のものになりうる」「何か本源的なもの。一つの民族の存在そのものがかかっている」(P128)と定義する「語り」という行為の在り方や扱い方については、あらかじめ念頭に置いて読んでいくと、深い読みにスムーズに入っていけるように思います。
このレビューは参考になりましたか?
形式:文庫
ああー面白かった…
バルガス=リョサってこんなに面白かったんだ。
本書に出てくるマチゲンガ族。”族”とはいっても必ずしも大人数で定住するわけでなく、
少人数(血縁者の小さなグループ?)で移住しながら生活する。
語り部というのはそのグループを渡り歩き昔話や旅の途中で出会ったことを語り、
“族”としての共同意識を伝えていく役目がある。
この”語ること”が本書の大きなテーマですが、
自分の置かれている世界や民族に置き換えた時、私たちの時代の”語ること”の意味って何だろう。

マチゲンガ族の放浪、マスカリータという生き方、ユダヤ人のディアスポラが重なる。

ここからはちょっと作品からずれますが。
ラテンアメリカ製の文学と言っても、多くは宗主国の血をひく人びとの文章が多く、
先住民族が筆をとったものという作品はあまりないのでしょう。
(まあ、混血でない人間という存在すらも危ういのでしょうし…)
それは先住民族の「文字」や「物語」という概念と西洋のそれとが大きく異なっていて、
いわゆる「文学!」というカテゴリーにするのが難しいのかもしれません。
もちろん、優劣の問題でもないです。

先住民族の文化をディープに触れたいのなら、文学ではなく人類学やら言語学の文献に
頼るしかないのでしょう。それすらも西洋のフィルターを通したものになりますが(苦笑)
というわけで、自分がラテンアメリカの文学に求めていたものが何なのか、が少し
理解できたのが本作品でした。

さて、先住民族を犠牲にして作られた植民地という国家で育った人間にとって、
先住民族や過去の歴史というのはどういう存在なんでしょう?
触れられたくないものなのか、未だ持って恐怖の対象なのか、
現代文明の退廃の対岸にあるユートピアなのか、
それとも異文化同士の摩擦が生み出す厄介ごとの元凶なのか…

次は「緑の家」に挑戦したいと思います。

どうでもいいことですが、ドイツの映画監督ヘルツォークの『フィツカラルド』の中にも
マチゲンガ族が出ていたので、彼らの映像を思い浮かべながら本作品を楽しみました。
このレビューは参考になりましたか?
17 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Kaonio
形式:文庫
「密林の語り部」(バルガス=リョサ)を読み終わりました。私は静かに目を閉じて密林に差し込む月の光を想い、密林に降る雨を想い、マスカリータを想い、そうして少しだけ悲しくなった。近代化という大きなうねりの中でしだいに失われていく神話や知恵について、痛みに似た喪失感を伴う静かな物語。
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