「恐怖の報酬」や「悪魔のような女」で知られるサスペンスの巨匠でフランス映画界を代表するアンリ=ジョルジュ・クルーゾーの監督進出第2作品であるが当時、独軍占領下で作られたために監督は対独協力者の疑いを受けてしまいしばらくの間、謹慎せざるを得ない状況になってしまい作品自体もゲシュタポ批判に変わってしまっているとの理由で上映禁止になってしまったとか。しかし名匠としての地位はこの作品で不動のものとなった。筋書ですがフランスの田舎町でカラスと言う正体不明の人物からの怪文書が町中で乱れとび人々が混乱していた。そして国立病院の医師のところにもカラスから投書が送れてきた。内容は医長の妻との不倫を指摘した中傷の手紙だった…。さらに投書が入院患者の一人に届きカラスから病名はがんと知らされてそのショックで自殺者も出てしまい町の人々も協力しあい犯人の調査を開始する内に看護婦が容疑者として逮捕されるものの結局は釈放されるがまだ容疑が晴れたわけではなかったのだ。そして日曜日に司祭が説教をしている最中に屋根からカラスからの手紙が舞い落ちてくる。この一件で看護婦が犯人でない事がわかり医師と、村の有力者達は大々的に犯人の追跡を開始する!そして物語は最後に古い言い回しになりますが意外なカタストロフを迎えます!こう書きますと探偵物のように思われそうですが意外と話は複雑で人間の心理や性格場面に重点を置いておりカラスという謎の存在がこの事件を通してアンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督独特の人間と言う存在を皮肉たっぷりにさらに凄味ある風俗劇として描きどの役柄も巧く描いている。代表作品である「恐怖の報酬」や「悪魔のような女」または「娼婦マノン」等の手に汗握る展開、強烈さやハッタリ演出は全然なく相当地味に時にはシニカルに物語は進んでいく。アクション映画や派手な作品が好きな人には完全に不向きな作品かも知れないので玄人の映画ファンには絶対おすすめ致します!。異様な作品であることは確かです。