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角川スニーカー文庫から出ているファーストガンダムの小説はご存知のとおりアニメ版とは異なったストーリーとして成り立っています。
また、複数存在するファーストガンダムのコミックなどもアニメ本編とは微妙に異なった解釈を含んでいます。
しかし、この作品はそういったファーストガンダムの紙媒体における広がりに一定の枠線を引くため、徹底して映像作品の補完に取り組んでいます。
主にララァの視点で進むお話ですが、ガルマが死んだあとシャアは何をしていたのかや、ニュータイプ同士の出会いにおける精神論など、本編を補助する内容に留まらず独立した作品としても読み応えはあります。
ファーストガンダムの終盤部分が放つカルトチックなテイストを凝縮させた一冊であり、その意味ではロボットアニメの小説という期待を持って手に取られるとイメージと若干違うかもしれません。
しかし、これまでのファーストガンダムの解釈がミリタリー寄りになりすぎていたせいか、ガンダムのもう一つの柱であるニュータイプについての考察や推敲はおろそかにされてきた感があります。
この本はもう一度原点に立ち返り、真に監督が描きたかった「ガンダム」というものを実感させてくれます。
文庫本で富野節を浴びたい人、宇宙世紀の年表の穴埋めに新しい視点を持ちたい人などはぜひ読みましょう。特にニュータイプ論を語る上では外せない一冊だと思います。
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