あの萩尾望都さんが描いた「トーマの心臓」の元はこの映画だそうだ。フランスの男子寮で一人の上級生と下級生が恋に落ちる。密会や恋文(詩)の交換などをして愛をはぐくんでいくが、学校側にバレてしまい、放校の危機。結局下級生が自殺をするというところで終わる、なんとも救われない内容の映画なのだがすごく綺麗な作品だった。何より、上級生が下級生と恋におちる前、同級生の同性愛を知って、放校させるという事件も起こしているのだから、そんな彼が同性愛に走ったのが面白かった。
愛し合ってる彼らには「同性愛」が問題じゃなかった。一人は「愛し合うことは自由なんだ」と主張する。一人は「でもこのままでは放校だ」と主張する。愛し合ってるのに、愛し合ってはいけないだなんて、当時の時代 を考えると当たり前のことなのだろうが、それは哀しいことである。「愛」は自由だと言った少年が、相手に裏切られたと思って自殺したあと救われないのが映画の一番の欠点だと思う。むしろそこが良いのだろうか。当時の時代と愛と、全てがわかりやすかった。でも少年は救われなかった。これは事実だ。
この映画を見たあとに「トーマの心臓」を読むと良いと思う。萩尾さんは「ああいう結末は嫌だった」という理由でこの映画の続編ともいうべき作品を描いたのだから、この映画で救われなかった少年の魂が救われた気がする。
この映画を観るたび、人は生きるためには愛が一番難しい問題だ、と常々思う。
今気づいたけれど、この映画に出ている青年の名前が竹宮惠子さんの名作「風と木の詩」の学校名と同じですね。ついでに知っているかとは思いますが風と木の詩もフランスの男子寮での同性愛漫画です。