一口に「寄付」といっても、個人なのか企業なのか、
お金を渡すのかモノで渡すのか、はたまたボランティアとして
労働を提供するのか、いろんな形態があります。
このような様々な寄付の形を丁寧に拾い上げて、
日本における現状、人々の意識、市場規模を紹介した
良書です。
帯にあったように
「私たちは、今、どこに、いくら寄付しているんだろう?」
が分かる本です。
寄付に関して取り上げるときにはこの本を避けて通れない、
という存在になる(すでになっている)と思います。
少し残念なのは、寄付している人がどういう人で、どういう形態なのかは
紹介されている一方で、寄付していない人がどうして寄付しないのかまで
うまく踏み込めていないところです。
「日本で非営利セクターへの寄付が根付くようにするにはどうすればいいのか」
「そのために、寄付していない人が寄付するようになるには何が必要なのか」
という寄付に関するおそらく最大の問題に答えられていません。
本書で使用している14,000人へのアンケート調査が寄付経験者と未経験者
両方を含んでいるのですから、本書44〜45ページにあるような「寄付に対する
意識・考え方」への分析が、こういった問題意識から掘り下げられていると
より良かったのかなとも思います。
また、このアンケートはインターネットを通じたものですが、インターネット
の調査モニターになっていて、このようなアンケートに答えるような人は
どちらかというと社会問題への意識も高い人であろうことを推察すると、
アンケート結果だけで寄付する(しない)人の意識を探るのには限界があるの
かもしれません。