著者のhttp://www.math.nagoya-u.ac.jp/ja/people/faculty-01.html#ohsawa
で見ると多変数関数論が専門で 複素解析学の一部であり, 関数解析とトポロジーが交わる部分に面白い問題があるとのこと.
最近、自分が関心を持ち出した分野の解説があったので読んでみました。
第1章:天空からの贈り物・・ はよく位相数学の本に出てくるオイラーの多面体の定理の解説、その関連の話題としてサッカーボール型多面体の炭素分子フラーレンの話。
第2章:柔らかい宇宙・・メビウスの輪、浮き輪のの同相の話。点が動いて曲線(1次元多様体)になり、曲線が動いて曲面(2次元多様体)になる。メビウスの輪の境界に沿って貼り付けたものが曲面(射影平面),この
射影平面は裏と表の区別がつけられないので向き付け不能な曲面と呼ぶ。ポアンカレ予想肯定的にベレルマンにより解決された話。オイラーの多面体の定理からよりなめらかに一般化されたのオイラー標数の話。
ポアンカレの接ベクトル場からポアンカレ指数定理、オイラー標数の高次元版が「オイラー・ポアンカレ標数」、そのまた高次元版が「ポアンカレ・ホップの定理」、さらにそのまた一般化が「アティヤ・シイガー
の指数定理」とのこと。
またポアンカレの理論はガウスが創始した複素関数論の延長にある。リーマンは変数を複素数まで拡張すると関数は曲面から曲面への対応と考えることを研究した。
第3章:夕日を追えは連分数の話から「ラグランジュの定理」部屋割り論法と「クロネッカーの定理」部屋割り論法を一般化したディリクレの「対角線論法」とやや解析がらみの話題にふれています。
第4章:沈黙と雄弁の間では情報関連の数学理論の話題です。
105頁から108頁には平行性の概念だけをよりどころに曲率を定義したカルタンの「接続の幾何」がアインシュタインの方程式の理論の有力な道具となった。2003年にアインシュタインの理論の意外な応用がベレルマンによる曲率とエントロピーの関連の発見。それを使ってポアンカレ予想を肯定的に解決した。
動く座標の幾何学は空間の局所理論を大域理論に結びつける壮大枠組とのことです。
などなど結構多彩な話題に題名どおりまさに寄り道の多い本でやや翻弄されそうな本ですが数学理論の歴史的繋がりが理解でき有益でした。
かなり色んな数学関連書を読んでいないとかなり理解しにくい本だと感じました。