原版は非常に魅力的だったのですが、「新盤」とついている現在では差別問題への配慮という事情から、重要なエピソードがひとつ、ごそっと丸ごと書き換えられてしまっています。
一部だけを後で入れ換えたためにやや違和感が発生している上、お話としての主張も大幅に弱くなってしまいました。
エピソードの内容そのものからしても、差し替える必要があったとはあまり思えません。仮に配慮をするとして、注意書きと謝罪を載せておけば十分に足る範疇だったでしょう。
またどうしても直すのならばせめて、もう少しお話の主張と展開に沿ったエピソードを考えて欲しかったところです。
作者自身の意向とはいえ、中途半端な修正を入れたため丸ごと台無しになってしまったことが、とても残念でなりません。
元が良いだけに、凡作レベルとは評しておきます。けれど、あの名作はもう残っていません。