この作品は1993年に刊行された「拳鬼伝」シリーズの3巻が改題、文庫化されたものです。
新しい題からすると刑事もののようですが、実際は、事件を捜査する刑事と、事件を起こした武術家を追う空手の使い手の二人が主人公と言えます。
刑事は名推理を披露するタイプではなく、ヤクザ顔負けの叩き上げの刑事。「けいじ」より「デカ」と呼ぶとそれらしい感じがする人物です。
空手の使い手は、普段は無愛想で大人しい整体師で空手のことは積極的には人に言いませんが、非常に強力な伝統派空手の使い手です。
この巻の犯人は、使う武術が1〜2巻に比べ後のほうまで謎とされ、必殺技的なものも使います。
実戦で戦える伝統派空手対謎の武術というフレーズに惹かれた方は、ぜひご一読を。同じ作者の「弧拳伝」シリーズが好きな方ならきっと気に入ると思います。
ただし、「相棒」のようにスマートな刑事ものが好きな読者からは当然評価は下がると思われます。