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容赦なき戦争―太平洋戦争における人種差別 (平凡社ライブラリー)
 
 

容赦なき戦争―太平洋戦争における人種差別 (平凡社ライブラリー) (単行本)

ジョン・ダワー (著), John W. Dower (著)
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   大平洋戦争末期、すでに戦闘能力を失った日本の66都市を、アメリカが核爆弾と焼痍爆弾で無差別爆撃し40万人の非戦闘員を殺戮した行為は、なぜ「人道に対する罪」ではないのか。ナチスのユダヤ人ホロコーストに激しく嘔吐した連合国が、どうして対日無差別爆撃を正当化しえたのか。本書は、欧米型人道主義がことさら目と口を塞いできた戦争の人種的側面に、真正面から迫った労作である。

 「ユダヤ人の大量虐殺を別とすれば、人種主義は、第2次世界大戦を語る場合に主題として取り上げられることはほとんどない」。しかし、ドイツと日本の残虐行為を見る連合国の目は人種的に両者を差別していた。ドイツの残虐行為は「ナチスの犯罪」であり、ドイツ文化や国民性に根ざすものではなかった。これに対して、アジアの戦場における日本の残虐行為は「単に『日本人』の行為として伝えられていた」。

   ジョン・ダワーは、大平洋戦争当時のアメリカの政府高官や軍指導部の発言、新聞・雑誌の論調、さらには映画、ポップカルチャー、時事マンガにいたる膨大な資料を渉猟し、そこに通底する「赤裸々な人種主義的本質」を摘出した。「日本人は人間ではない。残虐なサルだ。だから1匹残さず殺せ」という意識が、戦争遂行機関、マスメディア、戦場の兵士を貫いていたという。

   たとえば、ルーズベルト大統領主席補佐官のウィリアム・レーヒにとって「日本はわれわれのカルタゴ」だった。彼はローマ帝国がカルタゴの消滅を戦争目的とした史実に、アメリカの対日戦争目的をなぞらえていたのである。「コリアーズ」誌は、レーヒの考えをもとに「日本を破壊すべし」という論説を掲載した。この表題はローマの大カトーが元老院で演説した「カルタゴを破壊すべし」からの転用だった。

   アメリカの戦争目的が「野蛮なサルを絶滅させる」ことである以上、大平洋戦争が徹底殺戮の「容赦なき戦争」になったのも当然である。しかし、「世界の大部分を巻き込み、5000万人以上の人命を奪った前例のない破壊的戦争において、どうして一方の敵対者だけの野蛮性など語ることができようか」。残虐行為のジェネレーターはステレオタイプの人種観であると、ダワーは言うのである。(伊藤延司)



内容(「BOOK」データベースより)

『敗北を抱きしめて』の前著として合わせて読まれるべき戦慄の探究。同時多発テロとそれ以後についての特別寄稿を付す。

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5つ星のうち 5.0 バランスの取れた優れた学者の仕事, 2006/3/10
By 七海光一 - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
米国大学院在学中にこの書物を使ったセミナーに参加したが、その体験から言うと、これは日米双方の保守派に受けの悪い書物だ。だって、両方とも人種偏見と一種の選民思想から自由ではなかったと言う結論だから、自国民に落ち度はなかった信じたがる人にははなはだ都合が悪い書物なのである。アメリカではジョン・ダワーは、ウォルター・ラフィーバーや入江明などと並んで、ネオ・リヴィジョ二ストと呼ばれていたりする。読んでみれば明らかなことだが、格別ダワーはアメリカを贔屓目に見ているわけではない。むしろ、アメリカに対して辛辣とさえ言える。アメリカは日本人を総体として憎悪したが、日本人の批判の矛先は、むしろ指導者に向けられていた。その証拠として、アメリカのメディアは、戦時中一貫してドイツをナチと結びつけ特別視したが、日本人はJapとしてひと括りにされた、というのだから、これをどう読んでみてもアメリカに甘いという話にはならないはずだ。これは、彼の書いたJapan: War and Peaceというエッセイ集を読んでみればさらによくわかる。またダワーは、カリフォルニア大学サンディエゴ校に勤務していた頃、日本の春画をよく学生に見せていたそうである。優れた学者の仕事として、本書から学ぶべきことは多いはずだ。
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 読まれるべき本, 2008/3/1
名著「敗北を抱きしめて」の希望や感動は無い。日米戦と、人種主義のあからさまな事実を積み重ねた記述を読むのはつらい。しかし、つらくても読み通すだけの価値がある。(つらさの原因の一部は、わけの分からない訳文が少なくないことにもある。)読了後、日米と日中韓の現状やあるべき姿について考え、背景に人種主義につながりかねない憧れと優越感があることが意識にのぼった。人種主義に悩んだアメリカは黒人大統領候補登場にいたったが、我々は人種主義につながりかねない部分を十分に意識化しているか?
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48 人中、30人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 人を殺す“ヒト”の本質を深く考えさせられる一冊, 2004/9/29
私が“被爆地”という特殊な環境に住んでいるせいかテレビや新聞からは、『平和』という2文字がイヤというほど安易に吐き出されるよう感じる。あたかも皆が信じて願えば争いのない素晴らしい世界が訪れそうにさえ思えそうである。
しかし、残念ながら現実は冷徹である。原爆や化学兵器、対人地雷が世の中から消えても、人を殺す“ヒト”の本質が変わらない限り、決して平和は訪れるはずはないのである。現に、日本国内でさえ陰惨な殺人が絶えることが無いではないか。石ころさえあれば、ヒトはそれを使って、自分の欲求を満たすため、人を殺すのである。
日本人は敗戦という否応ない現実を突きつけられ、その責任を自分の祖先や人殺しの道具に押し付けて、自らの潔白と精神の平安と手に入れようとした。そう「自分は悪くない、悪いのはあいつらだ」と言って…。
しかし、この本を一読すれば容易に理解できるように、人間には空恐ろしく感じる残虐性が常に存在している。人殺しの道具が悪いのではなく、それを使う人間の残虐さを真摯に見つめない限り、この問題の本質は見えてこないのではないか。
平和を声高に叫ぶ人たちこそ、この本を読んで人間の本質を見つめ直して欲しい。作者の偏見が多少含まれていたとしても、この問題を考えるきっかけには十分に値する本である。
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投稿日: 2007/2/21 投稿者: nobu2002

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投稿日: 2006/12/10 投稿者: ´・ω・`

5つ星のうち 5.0 人種差別を中心に太平洋戦争を考え直す
... 続きを読む
投稿日: 2006/8/13 投稿者: 鈴屋飯依比古

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投稿日: 2005/5/8 投稿者: 西岡昌紀

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投稿日: 2004/1/4 投稿者: taaraki

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投稿日: 2002/5/4 投稿者: 吉田茂雄

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日本人は、どうしても日本人の立場で戦争を評価してしまいがちである。
筆者はアメリカ人であり、アメリカ人の立場で見がちだろうと思って読んだ。
読んでみ... 続きを読む
投稿日: 2002/4/24 投稿者: 千翔

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