著者は、1889年生誕、夫は、一平そして、息子は、太郎です。収録作は、老妓抄、鮨、家霊、娘の4作です。
老妓抄は、小金持ちの独身の平出が主人公です。養女が1人いますが、自分自身若い時に身も心も捧げてある事に集中したかつたができなかった、それが遠因に成っているのかどうか、、野心のある若い柚木を援助します。柚木は、それが負担になり、何度も遁走しますが、その都度連れ戻され・・・
鮨は、店の常連である年配の湊と、ひそかに彼に好意を寄せる福ずしの看板娘、ともよの物語です。ある日買い物の帰り、湊に偶然出くわし、湊さんは、お寿司が好きですねと云う話になります。彼は、実は、小さい頃拒食症で何も食べられなかったが、母親が、目の前でお寿司をにぎつてくれて、それでやっと食事が出来るようになった。今では、歳をとり母親が懐かしくなり、それで鮨まで懐かしくなるんだよと教えてくれます。しかし、それ以来彼は店に来なくり・・ 家霊は、老いぼれた彫金師、彼は、昔泥鰌店のおかみの境遇に同情し密かに心を寄せていました。おかみは、どじょう汁のお代の代わりに、彼の作品を貰いそれを宝にしていました。そのおかみは、病気で娘に帳場を譲り、年老いて落ちぶれた彫金師が娘にどじょう汁をせがみに来ます・・・
どの作品も女の情念が強く出ていて、どこかかの子の生活、人生を彷彿させる物があります。かの子の作品を読んだのは、ほぼ45年ぶり。高校自代、国語の先生が、かの子の写真を見て、なかなか美人やなと言ったのを聞いて、ゲゲっと思いましたが、彼女の人生を振り返って見てみると、そう考える人も確実にいるのだなだなと思う今日この頃です。