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家霊 (280円文庫)
 
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家霊 (280円文庫) [文庫]

岡本かの子
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

夜な夜などじょう汁をせがみにやってくる不遇の老 彫金師と、どじょう屋の先代女将の秘められた情念 を描いた表題作「家霊」、自らの力で財を築き、齢 を重ねてなお生命力 に溢れる老妓が、出入りの電気 器具屋の青年に目をかけ、好きな発明を続けさせよ うとする「老妓抄」、鮨を食べることで母との思い 出に浸る鮨屋の常連・湊の一時の交流を通して人の 世の姿を描き出す「鮨」など、人間の生命力と業が あぶり出される名短 篇四篇を収録。

出版社からのコメント

280円で名作を読もう。 生きとし生けるものすべてに愛情を注いでいた人だったのだ、と小説を読めば読むほど思う。--東直子(歌人・作家)

登録情報

  • 文庫: 128ページ
  • 出版社: 角川春樹事務所 (2011/4/15)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 475843543X
  • ISBN-13: 978-4758435437
  • 発売日: 2011/4/15
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 0.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 19,181位 (本のベストセラーを見る)
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By 直いい親父 トップ500レビュアー
 著者は、1889年生誕、夫は、一平そして、息子は、太郎です。収録作は、老妓抄、鮨、家霊、娘の4作です。
 老妓抄は、小金持ちの独身の平出が主人公です。養女が1人いますが、自分自身若い時に身も心も捧げてある事に集中したかつたができなかった、それが遠因に成っているのかどうか、、野心のある若い柚木を援助します。柚木は、それが負担になり、何度も遁走しますが、その都度連れ戻され・・・
 鮨は、店の常連である年配の湊と、ひそかに彼に好意を寄せる福ずしの看板娘、ともよの物語です。ある日買い物の帰り、湊に偶然出くわし、湊さんは、お寿司が好きですねと云う話になります。彼は、実は、小さい頃拒食症で何も食べられなかったが、母親が、目の前でお寿司をにぎつてくれて、それでやっと食事が出来るようになった。今では、歳をとり母親が懐かしくなり、それで鮨まで懐かしくなるんだよと教えてくれます。しかし、それ以来彼は店に来なくり・・  家霊は、老いぼれた彫金師、彼は、昔泥鰌店のおかみの境遇に同情し密かに心を寄せていました。おかみは、どじょう汁のお代の代わりに、彼の作品を貰いそれを宝にしていました。そのおかみは、病気で娘に帳場を譲り、年老いて落ちぶれた彫金師が娘にどじょう汁をせがみに来ます・・・
 どの作品も女の情念が強く出ていて、どこかかの子の生活、人生を彷彿させる物があります。かの子の作品を読んだのは、ほぼ45年ぶり。高校自代、国語の先生が、かの子の写真を見て、なかなか美人やなと言ったのを聞いて、ゲゲっと思いましたが、彼女の人生を振り返って見てみると、そう考える人も確実にいるのだなだなと思う今日この頃です。
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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 11:11
岡本かの子について知っていたこと。
まず、岡本太郎の母であること、
夫と愛人、同じ屋根の下で暮らしていたこと。
そして見事な観音経についての随筆。
けれども小説は初めて手にしました。
経済的に豊かで、たくましく世を渡り歩き、
そして惜しげも無く愛情を与えてきた女の視点から描かれた作品群、
4つの短編物語「老妓抄、鮨、家霊、娘」は正に宝玉です。
書かれた年代は1939年、この時代のロマンの香りを楽しむこともできました。

ちくま日本文学全集のように字も大きく、
振り仮名も多いのでとにかく読みやすく
工夫されている様子が伺えます。
装丁も逸品です。
....そしてこの280円という手軽さ。
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By 若竹
読み終わっても、ふとした瞬間に作中のシーンが蘇ってくる。
優れた作品を読んだときに体験できることを、本作で得られる方も多いのではないでしょうか。
自らの力で糧を得ることができなくなった老人のために、娘が深夜つくる「どじょう汁」の一手間。繊細で偏食気味の子供のために母がつくる「鮨」の一手間。誰かのためにつくる食のうれしさ、美味しさ。それが身体だけではなく心の栄養になってゆくこまやかな描写。
研ぎ澄まされた文体から香りたつ愛情、ひそやかなエロティシズム。
…とても子供だった岡本太郎氏を柱に縛り付けて書いていたとは思えない作品群です(笑)。(いやこの作品を書いていた時とは限らないか…。)

「どじょう汁」が妙に食べたくなりました。個人的には子供時代、その見た目から苦手としていたのに、再チャレンジしたくなる。「鮨」の子供が母親のつくる鮨に食の喜びを見出してゆく過程に重ね合わせ、ある種の感慨が沸き起こります。

わずかなお金でとても幸福な時間が過ごせるとすれば、迷う必要はないと思います。とてもちいさな宝石のような短編集です。
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