よくもまあ、これだけの家紋が作られたもんだと感心してしまう。家紋の歴史など概説に始まり、数多くの家紋とその種類について提示し、適度な説明を加えてある良書。自分の家の家紋の意味を知りたくて購入したが、まるで何かイラスト集でも見ているような楽しみがある。
例えば、見慣れた桐や葵といった植物紋から、船のマークの家紋、櫛の絵の家紋、はたまたムカデの家紋なんてものまであり、その種類の豊富さには驚かされる。
本著の中に紹介されていたのだが、江戸時代にこんな川柳が詠まれているのだという。
「桶と花 提げて定紋 見てあるき」
墓参りに来て、墓に刻まれた各家の家紋を見てあるくことが、江戸時代の庶民にとって一つの娯楽になっていたらしい。この本を見ていると、それも分かる気がする。