本書は、死と向き合うことの極めて少ないこの現代社会で、「看取り」を通して死をどう受け入れるのかを伝える渾身のルポルタージュ。
著者は、看取りの家である「なごみの里」で、終末期を迎えた「幸齢者」と心から向かい合い、時には自らが介護パンツを履いて介護される側の不自由さも体験する。
様々な看取りの家族のことが紹介されているが、共通するのは、旅立つ人も、見送る人も最後の言葉は「ありがとう」とかけ合う感謝のことばだ。「看取り師」の柴田久美子さんは、 死は究極の贈り物であり、エネルギーを次の世代へ受け渡す命のリレーだという。
インドのホスピス「死を待つ人々の家」を設立したマザーテレサは、「私たちは大きなことはできません。ただ小さなことを大きな愛でするだけです」、という言葉を残している。命の最後の瞬間に、もっとも大きな愛で抱きしめる。それが本書が伝える「看取り」のあり方だ。著者が言うように、私たちすべてが、1億2000万分の1の「みとりびと」なのだ。
世代を超えて、誰もに読んで欲しい大切な1冊です。