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家族の深淵
 
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家族の深淵 [単行本]

中井 久夫
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

「執筆依頼が来ると、私はまず。折口信夫が弟子にかねがね〈心躍りのしない文章は書くものじゃないよ〉と言っていたことを思い出す・・・・・自分の領域で、しかも今までにない新しい切り口をみせることができるものが私にはいちばんいい。20パーセントぐらいは冒険的要素があっても、つまり未知の領域に乗り出す冒険があってもいい」

3年前、エッセイ集『記憶の肖像』を世に送った著者は、その後も、精神科医としての日々のなかで、さまざまなスタイルの文章を紡ぎつづけてきた。専門である分裂病を論じても、ギリシャ文学について書いても、戦後を生きた日々や友人の思い出、そして阪神大震災の渦中の神戸の様子を描くときにも、そこには鋭い観察眼と稀なる感受と寛容が折り合わさって、無比の文体が構築される。その文章を一書にまとめた。

医師として往診先の家庭に赴くときの心づもりや現場の模様をたんたんと綴った表題作「家族の深淵」、かつて下宿していた韓国夫人の思い出を主奏に、ウィルス学から精神科に転身する当時の自分と周辺の姿、さらに祖父の生き方を重ね書きした「Y夫人のこと」をはじめ、分裂病や老い、ハンガリーへの旅、ギリシャ詩について、独自の文化論でもある「きのこの匂いについて」、原稿依頼から完成までの書き手の心身の変容を細部までユーモラスに描いた「執筆過程の生理学」まで38篇。冷戦時代とともに生き、神戸に住まい神戸を愛する著者のみごとなオブジェである。

内容(「BOOK」データベースより)

往診先での医師と家族のあり方を描いた表題作をはじめ、独自の文化論「きのこの勾いについて」まで。精神科医としての観察と感受と寛容が生んだ38エッセイ。

登録情報

  • 単行本: 389ページ
  • 出版社: みすず書房 (1995/9/22)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4622045931
  • ISBN-13: 978-4622045939
  • 発売日: 1995/9/22
  • 商品の寸法: 18.8 x 13.4 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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16 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
名著・美文! 2002/3/30
形式:単行本
中井さんの文章はとても美しいです。それは日本語の正しさの中で
自由に紡がれたような、詩的なもので、実際彼の詩の翻訳も素晴らしい
と思うのですが、エッセイではこれが秀逸です。中井さんの専門分野に
興味が無い人でも、これをよめばまた日本語の本を読みたくなるかもし
れません。
このレビューは参考になりましたか?
18 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By sytake
形式:単行本
 精神病でも特に分裂病の専門家、中井久夫氏のエッセー集。権威風を吹かせる多くの国立大学教授らしからぬ、人間を暖かく見つめる著者の基本的姿勢が、知的センスあふれる文体で綴られる。大学時代の下宿先の婦人、学園紛争、ウイルス研究から精神科への転向、神戸大学精神病棟設計、阪神淡路大震災の体験などの折々のもの。本のタイトルにもなった「家族の深淵」は分裂病患者の往診をしたときの経験談であるが、私の独断的読後感としては、(現代精神医学では患者の生い立ちや家族関係が大きなキーワードだけに)個人の内面を深く掘り下げる中井氏のスタイルは前世代の学者と言えるかもしれない(もちろん悪い意味ではない、誤解のなきように)。
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