家庭画報は昔から高級感ある編集で有名な雑誌です。使用されている紙も上質でずっしりと重く、この「家庭画報の京都」も完全保存版と銘打っていますので、格調の高いページが続きました。日本の美を現在も残している街としての役割を担っている京都ですし、様々な伝統文化を今日に受け継いでいる京都ですから、そのあたりのコンセプトはしっかりと押さえてありました。
章だてを眺めるだけで雰囲気が伝わってくると思います。
第一章 京を歩く 京の名桜と紅葉めぐり、『源氏物語』を訪ねる旅、水たたえる「植治」の庭、小堀遠州ゆかりの庭へ、寺院で、四季の銘花に出会う
第二章 京文化を愛でる 京都迎賓館、茶の湯の心に触れる、京都迎賓館、本物の琳派に触れる、京都で若冲の奥義を識る、国宝を観るなら京都国立博物館へ
第三章 京都の味 京料理の真髄、料理屋のお弁当、持ち帰り弁当、老舗が守る相伝の味、京の和菓子、川端道喜ものがたり
第四章 京都の技 壇ふみさんの染め織り探訪、俵屋のデザイン、京都人の暮らしに息づく道具
個人的には、見学することが叶わない京都迎賓館の建物やお庭の風情、それを作り出した職人の技と工房の技術の冴えは、他誌にないもので興味を惹きました。有職織物、数寄屋大工、唐紙、錺金具、建具、指物、畳、それらのどれをとっても極上のものだということが分かりました。
また琳派のコレクションで有名な岡崎の細見美術館も登場しています。ここの若冲や光琳、宗達は質の高いもので、誌面でもじっくりと鑑賞させてもらいました。
京料理もしっかりと眼でいただきました。器や盛り付け、料理法も一流です。選ばれている料亭は京都を代表する名店ばかりで、その選択も本書の審美眼を表していました。