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本書では、癌患者の不眠、幻視幻聴、皮膚が痛んだり、飲み込めなかった薬が口の中に残っていたり、口の中にスポンジをふくませたり、という細かな要素が丁寧に描かれている。本当に「家庭の医学事典」のように。
これらの一つ一つの介護の記録が私の記憶の中の看取りの日々と共鳴を起こし、しばしば呼吸を整えるために本を閉じなくてはならなかった。
そして、母を亡くしたばかりの語り手のパニック状態も。百人百様の看取りがあるだろうが、看取りのプロセスは階段を深く深く降りていくようなもので、!全てが終わったとき、介護者が再び日常を取り戻すまでは一旦降りていった階段をのぼるようなプロセスを踏むことになる。
家族を介護したことのある人にとって、本書は追体験となるし、まだその経験がない人にとっては、その思いを知るよすがとなるだろう。
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