単純に「家出少女」として括られ、堕落した若者の象徴のようにTVで報道された少女たち。しかし、その裏にどれだけ凄惨な事情があり、その先にどれだけ悲しい未来があるのかを、この本を読んで初めて知り、言葉を失いました。
この本で取り上げられる少女たちは、援助交際を経験しています。それにもまた様々な理由があり、様々な末路があるのです。辛い境遇に負けず強く生きてゆく少女もいれば、精神を病み、消息を絶つ少女もいる。無論、圧倒的に多いのは後者です。
彼女たちがそうなる理由の多くは、貧困であり、家庭内暴力であり、蔓延する違法薬物であり、現実を見ていない法の規制がもたらす混迷です。
子供が死ねば、無為無策の骨頂として悪者にされる児童福祉施設。でもそこで働く職員たちは、少ない予算と人員と数多くの規制の中で、己の無力感に苦悩し、疲れ果てているのです。そしてそれ故に救われず、生き地獄を味わい続けなければならない子供たち。この現状を知って、それまで何も知らなかった自分と、本気で子供たちを救おうとしない政治に対する激怒で手が震えました。
「いまの若者はモンスターだ」と言う識者がいます。しかし、彼らを健全に育てる責務を果たさず勝手なレッテルを貼り、ろくでもない政治家に票を入れ、腐敗官僚の横行を許し、無責任な元首相たちによる格差拡大ゆえの貧困を見逃してきた私たち大人こそが「自覚なきモンスター」だったのではないでしょうか。何よりも、大人には、子供たちと異なり、参政権があるのです。本当に何もできなかったというわけではないはずです。
もはや一秒の余裕もありません。すぐに行動を起こしましょう。募金でも、政治家や知事への嘆願書でも、ボランティアでもいい。いつの間にか精神的貧困大国と成り果てた日本で声のない悲鳴をあげる、この国の未来そのものである子供たちを救うために。