著者はホームレス作家として知られた松井計。
自身の経験をふまえて、
帰る家がありながら、帰宅を拒否する男たちを書いている。
帰宅しない男たちが6人出てくるが、
前向きなネットカフェ難民の1名以外はそれぞれ帰る家を持っている。
彼らの多くは平日はサウナやカプセルホテル、愛人宅(!)に泊まり、
週末だけ帰宅する。
なぜそのような生活をするのか、著者が訊ねると、
それぞれもっともらしい理由を並べる。
しかしレビュアーには、それは彼らが自分を納得させるための言い訳としか
思えなかった。
彼らは自分が何のために生きているのか、その意味を見失っているように見える。
そこから、それでは自分自身は意味ある人生を生きているのか、
少し考えさせられ、はっとした次第であった。
かつて帰る家を持たず、
彼らとはおそらく対極の考えを持つ著者の観察・感想も面白く読めた。