ぬおーん、おもしろい。わかりやすい。すぐ読める。でも深い。
主人公の料亭の女将かづと老政治家の野口。この二人が歳も歳なのに恋に落ちて、結婚して、その後、夫が都知事選にするんで二人して選挙戦に臨むのだけれども、この二人が対称的なことったら。なんで結婚したんだ、この二人。この小説はもうすべてが対称的。
理想を追求する夫と現実を見据える妻、理論で考える夫と直感で考える妻、冷静な夫と情熱的な妻、高貴でありたい夫と俗でありたい妻・・・もう面白いほど超対称。どんな夫婦でも多かれ少なかれ、こういう対称ありますよね。うちもあります。まあ、男と女の性別の違いによることもあるけど。ただ結婚生活を送ればお互いのない所を補い合って相乗効果があるのかもしれないのだけれども、選挙戦に出るとなるとこれがぐっちゃぐちゃになってくんです。選挙運動が人間を曝け出してゆく。そこが見所です。
全体構成も前半と後半で対称的なんだよな。愛と憎しみ、平和と戦い、恋愛小説と政治小説。
よくできてます。で、結局、どっちが正しいってわけではなく、読後に残ったのは、どろっとした日本っぽい何か。