宮脇俊三さんの『台湾鉄路千公里』『椰子が笑う 汽車は行く』『汽車旅は地球の果てへ』『韓国・サハリン鉄道紀行』という海外の鉄道乗車紀行を1冊にまとめたものです。1人旅ではなく、出版社の編集者との同行記です。ペルーのシクアニ駅での写真が巻頭に1枚添えられています。
世界の鉄道事情を我が国にルポの体裁で紹介した作品群は珍しく、筆者が乗車してから30年近く経ちましたが、このような全集として読めるのは、それだけ貴重な体験と報告だからでしょう。
『台湾鉄路千公里』は、1980年6月2日から9日までの8日間の鉄道旅行で、自強号、'光号、対号特快号、快車、普通列車と5種類の列車全てに乗り、台湾鉄路局の全線を踏破した上、阿里山や太魯閣峡などの有名な観光地も訪れています。
『椰子が笑う 汽車は行く』には、「時刻表のない旅―フィリピン」「泰緬鉄道とマレー半島の国際列車」「台湾一周二人三脚」「皆既日食ツアーは楽し―ジャワ島」の4つの紀行文が掲載されています。
『汽車旅は地球の果てへ』には、「アンデスの高山列車」「人喰鉄道・サバンナを行く」「フィヨルドの白夜行列車」「ジブラルタル海峡を渡る」「ナイル河の永遠」「オーストラリア大陸横断列車」が収録してあります。
それぞれの国への観察眼も鋭く、当時の社会情勢、貧富の差など、世相を反映した描写が残されています。的確な編集者の感覚があるからこそ後世まで残る作品となったわけです。
『韓国・サハリン鉄道紀行』の韓国紀行は1987年、サハリン紀行は1990年に乗車しています。韓国では、有名なセマウル号を筆頭に急行、準急、普通電車を乗り継いでおり、サハリン鉄道紀行は、鉄道ジャーナル関係のツアーです。