井上ひさしは本当に優しい人である。初心者に、愚かな者に、自分が発見したことを懇切丁寧に教えてくれる。
生来の、教師なのだ。
全部で四部構成。
第一部は「賢治の宇宙」。宮澤賢治だけじゃない、石川啄木まで登場。聞き手は勿論井上ひさし。文句なく愉しい。
とくに、面白いのは第二部「宮澤賢治はこう生きた」。写真入り、絵いり、巨大活字、週刊誌なみの大見出し、小見出し。まことに身近に感じられる。
決まりは第三部におさめられている「講演 賢治の世界」である。井上ひさしの目玉がどう賢治をみているかわかる。
付録に「宮澤賢治年譜」もついてこのお値段。ゴタゴタいわないでこの書をもって賢治の世界と現在を観てみよう。だいぶ、世の中が変わって見えるはず。サービス精神旺盛な井上ひさし先生にはいつもながら感心する。できれば、単行本がおすすめ。老人には少し活字が小さい。宮澤賢治に関心ある諸氏必携の書。