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室町の王権―足利義満の王権簒奪計画 (中公新書)
 
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室町の王権―足利義満の王権簒奪計画 (中公新書) [新書]

今谷 明
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

強大なカリスマ性をもって、絶対主義政策・中央集権化を支持する官僚・公家・寺社勢力を操り、武家の身で天皇制度の改廃に着手した室町将軍足利義満は、祭祀権・叙任権などの諸権力を我が物にして対外的に〈国土〉の地位を得たが、その死によって天皇権力纂奪計画は挫折する。天皇制度の分岐点ともいうべき応永の時代に君臨した義満と、これに対抗した有力守護グループのせめぎあいの中に、天皇家存続の謎を解く鍵を模索する。

登録情報

  • 新書: 222ページ
  • 出版社: 中央公論社 (1990/07)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4121009789
  • ISBN-13: 978-4121009784
  • 発売日: 1990/07
  • 商品の寸法: 17.2 x 11 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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18 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By わた
形式:新書
天皇制を考える上で欠かせない名著です。
もはや古典と言ってもよいかもしれません。

中世の天皇制を巡る議論では、網野善彦氏の一連の
研究などにより、非農業民との関係が話題にされますが、
本書はそのような視点をとらず、天皇制と室町幕府
との関係を政治史的に真正面から取り上げたものと
なっています。

このレビューは参考になりましたか?
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 茶々丸 VINE™ メンバー
形式:新書
 日本中世は南北朝内乱を境として前期と後期に区分される。その分画期に政治的頂点を極めた人物が足利義満である。本書は足利義満による皇位簒奪未遂にスポットをあて、権力と権威の相克の視点から中世日本における政治構造の特質を解明しようとした“古典的”著作である。
 簡単にいえぱ、中世社会において(南北朝期)の最高権力はどこにあったのか、との問い掛けに対して著者は“治天”としての地位にあった将軍との答えを導出している。いうまでもなく“治天”とは天皇の上に位置する地位である。それは政治権力者としての天皇ではなく“天皇家の家長”の地位を指す。
 こうした前提を踏まえることなく本書を読むことは“制度としての国家”とそれを実際に運用していた“政治組織としての家”とを混同する危険があることは当然であり、そこから天皇制の持つ意味を理解することには意味がない。
 実際に一般の歴史書と呼ばれる書籍の中にはこうした“国政と家政”の関係と相違、政治組織としての朝廷と幕府それぞれの統治構造など踏まえず、恰も天皇や将軍がピラミッドの頂点に位置したように書かれているものが多い。古代の律令制の実例を引くまでもなく政治組織としてのシステムは天皇に権力があったわけではない。
 なぜ中世という時代にあって天皇が存続したかといえば、それは天皇制のもつ権威のみが残されていたからであり、天皇自体は権力を持ち得なかった。と同時に一方の武家に代表される幕府も実態としては守護大名の連合体であり、戦国大名のように領国支配を行うことも困難だった。こうした中にあって、足利義満が目指したモノ、それは将軍としての地位を捨て太政大臣としての地位も捨て“日本国王 源道義”としての地位に他ならない。
 ここで着目すべきは“源”の姓である。これは名字ではない。家格としての源家の家長である、とのことであり、同時に全ての権力を自在にできるとの意味が込められていることに着目しての議論には注目すべきである。形としては天皇家の“治天”に等しい地位である。
 こうした点で本書は以後の中世史研究にとって新たな視点を提示したものと評価できる。
 
このレビューは参考になりましたか?
10 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By enuyon
形式:新書
足利義満に皇位簒奪の野望があったことはだいぶ知られてきたが、その詳細と結果が解説されている。
足利義満は自身が天皇になろうとしたわけではなく治天の君になろうとして、実際なりえたというのがその真相らしい。
治天の君とは実権を持った上皇、そして実質的に天皇の上を行く存在として君臨していた。そして治天の君は天皇未経験者でもなりえた。
また、天皇の藩屏のはずの公家たちの間でさして抵抗した様子がなかったこと、逆に朝廷から送られた太上法皇の位が武家幕府側の意向で辞退されたなど、非常に興味深い話が続く。

将来天皇制をめぐる論争が起こることは必定の情勢、そのまえに目を通しておくべし。

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