北朝鮮の特殊部隊が潜水艦に乗って、福井県の原子力発電所の付近に上陸してきます。これを、わが方が速やかに撃退しようとしたところ、平和思想や法律の不備により、かえって危険が昂上する緊急事態になります。これは、要するに日本のヴァルネラビリティ(脆弱性)をテーマにした映画です。
わたしたちの国は憲法9条というものをもっています。これは、理念としてではなく、実際の平和を守るためには、脆すぎるのではないかという現実的な問題が指摘されつづけてきました。「宣戦布告」の仮想敵国も、そこを衝いて攻撃を仕掛けてきます。理念を掲げただけでは、平和は守れませんでした。あくまでも映画の世界ですが、ありえなくもないようなリアリティを、政治に関心をもっている日本人なら、感じるのではないかと思います。
日本が防御と迎撃に本気で取り組む姿勢をみせたときにはじめて、敵国は撤退していきました。ここに、安全保障の基本思想があります。つまり、国防努力というのは、戦争をするためにあるのではありません。武力を発動する前に、国防の意志を示して、攻めてくる相手を躊躇させることにあります。
「宣戦布告」は、現代の日本の各種の要因がそれを妨げていることへの問題認識を提起していると思います。一見の価値があると思うので、五つの星の評価をつけさせていただきます。