4つの短・中篇からなるこの作品は、これまでの町田作品と比べ、登場人物たちのぶっ飛び感・語り口の疾走感はいまひとつ押さえ気味だ。しかし、その分リアリティーを増すことに重きを置いたように感じられる。ていうか実体験を膨らまして書いたんだろうけど。 「紐育外道の小島」のラスト以外はノンフィクションであってもおかしくない。どんな業界でもありそうな話であり、誰もが似たような経験をもっているだろうが、それをユーモア溢れた作品に仕上げたところが町田康の持ち味である。 個人的にはボランティアに対する冷めた目線が面白い。常識をわきまえないボランティア達に対して怒りを覚え、ボランティアに対して怒っている自分を何と卑俗かと思おうとしたが、やっぱり思えなかったくだりは最高だ。 批判したくてもしにくい空気が感じられるものに対して「やっぱおかしいじゃん」って言えるのはパンクとお笑いだが、町田康は両方の要素を兼ね備えた小説家である。jah!