「本は10冊同時に読め!」にて紹介した読書術以上の新しいものがここに書かれているわけではない。筆者がはじめにで、「『そもそもどんな本を読めばいいのだろうか?』それが本書の目的のひとつだ。」と書いているように、主眼はそこにあるようだ。
「古典は他人に任せて、新刊を読もう」という節で、「そもそも翻訳ものの古典に問題があると思う。まず昔の人の訳が下手なのだ。」「多くの昔の人は、じつは文章が下手だったのではないかと疑っているのだ。」といい、原典の文章が下手で訳も下手だから「何を書いてあるのか皆目わからない」との自論を展開している。非常に面白い発想であり、説得力もある。
「“賢者の読書”の効果効能は、夢見る力を養い、常識を疑う力をつけて、モノの見方を多面的にして視野を広げ、アイディアを豊かにすることだ。」という。そのためには、「意図的な乱読」が必要だという。それが「超併読」をすすめる理由であろう。
個人的には、この本の最も参考になる箇所は、第5章の厳選ブックガイドである。
第1章から第4章までの本文にすでに引用されている筆者の推薦本が、筆者の書評とともにジャンル別に並べられている。
早速数冊を購入して読んでみたが、どれも読みごたえ十分なものであった。