プロジェクト活動を幅広く網羅的に扱っている。しかし叙述は平板ではなく、経験に基づくものと思われる実務知識が随所に織りまぜられていて、目を開かされることが多かった。
本書を貫く視点は、「17世紀に『プロジェクト』の語が使われ出したとき、それは『事業』を意味していた。」(J.サースク)という命題に集約される。業務処理の技術としてのプロジェクトマネジメントを超えて、ビジネスを推進するプロジェクト活動に関心をもつ中堅以上のマネジャーや経営者にとって、特に得るところが大きいのではないか。
また、著者はプログラムマネジメントについて、PMIのプログラムマネジメント標準やP2Mには制約されずに記述したと述べており、実際、両者のはざまで抜け落ちている部分(事業戦略とプログラムの関係など)がよく整理されている。叙述自体は日本型の組織経営を前提としているので、基本構造はP2M的であり、その意味ではP2 Mのわかりやすい解説書としても使える。