〇感想
最近ではダイバシティという言葉を非常によく耳にしますが、
報道等においては、ダイバシティの定義を「女性の活躍促進」と
認識してしまうような伝え方をしているように感じます。
そんな中、本書ではダイバシティ推進の必要性を下記のように
捉えて主張を展開している点で本質を捉えていると思います。
「企業が経営目的を追求し、持続的な価値創出を実現するための
手段の1つ」(本書から抜粋)
ダイバシティの推進は、企業内における一活動ではなく、
会社全体に関わる組織変革であり、社員の行動変革であると
捉えている点が、非常に良い視点であると感じました。
上記のような本質的な視点を持ちながら、ダイバシティ推進の
「背景・目的」を定義した上で、実際に推進活動を行なう際の
「施策の考え方」、及び「具体的な施策」が解説されていました。
また「推進施策の考え方」については、実際に行った意識調査の
分析結果を基に検証を行っている点で説得力や納得感があります。
施策を導出する際に利用している独自のフレームも"使える"と思います。
さらに、分析結果を、組織のパフォーマンスや個人の
モチベーションにつなげて示唆を導出している点は、
組織変革を意識した、非常に良い展開であると感じました。
本書は、活動の推進者にとっても、学習者にとっても
参考になると思います。
また、ダイバシティの推進を考えている経営者や、
実際に取り組んでいるものの成果が出ていない担当者が
手にとってみても有効ではないかと感じました。
〇構成
本書の構成は下記のようになっています。
・ダイバシティ推進活動の典型事例を架空事例を用いて紹介
−ダイバシティを推進する際に陥りがちな状況を紹介
・ダイバシティとは何かを定義
−本質的な観点でダイバシティを定義
・ダイバシティ推進に必要な要件を説明
−ダイバシティが求められる社会的背景を解説
−社会的背景を踏まえた推進目的を解説
−推進目的を達成するための考え方(フレーム)を解説
・各施策に対する現状の調査結果を紹介
・調査結果の分析に基づく示唆を解説
−独自のフレームを基に、具体的な施策を解説
・ダイバシティ推進における先進企業の事例を紹介
・ダイバシティ推進の進め方を説明
−進め方を4つのフェーズ定義し解説
〇コメント
施策の考え方については、実際に6000人規模の調査を行ない
その結果から検証を行った点、そしてその結果を本書の内容に
盛り込んで主張を展開する点にリクルートぽさを感じました。