この手の本の多くが、実践とは掛け声だけで実際には聞きたくもない概念論に終始しているなか、銀行内部のリスク管理業務について、かくも具体的に方法論を整理した書は希少と言うほかない。また、ここで示されるアプローチも、BPRを目標に置いてのオペリスク管理ということで、単なる規制対応とは一線を画した具体的な方法論であり、多くの実務者にとって参考となるものであろう。預金業務、所要自己資本といった一部の銀行用語に目をつぶれば、一般事業会社のオペレーショナルリスク管理マニュアルとしても十分に読むことのできる内容であり、具体的と言いつつ応用範囲は相応に広い。
オペレーショナルリスク管理の目的と実利をはっきりさせたい方には、特におすすめの書。ぜいたくを言えば、これだけの内容なので、常時手元に置いて活用できるように索引がほしかったところではある。