”前著である『基礎からはじめるインド占星術入門』からさらにワンランク上を目指す方に向けて作られた”
とあったので期待したが、正直期待外れだった。
レベル的には前著に少し毛が生えた程度の内容ばかりだったからだ。
たとえば本書の中に、「12室に月と減衰した金星があるから海外に行く運命にある」といった記述があるが、
あまりにも単純すぎる説明である。
それはあくまで運命の一つの「要素」にすぎないのであって、運命を決める「決定打」とはいえないからだ。
初心者向けの説明ならそれでも構わないが、応用的な知識を求める人にとっては、やや物足りないだろう。
分割図の説明でも、普通のインド占星術の洋書等だったら、
各分割図のテーマ以外にも、各分割図でキーとなる惑星やハウスを記述するものだが、
そういったものも見当たらない。
また、著者のブログで公開されたことのあるリーディング事例が多数にのぼるため、
すでにブログの読者の方は、かなり不満の残る内容に感じられるだろう。
それ以外の点で気になったのは、チャートのデータ(日時や場所)の不足である。
これでは読者が自分でチャートを作って再確認できない。
著者は誤記や意味不明な記述も多いため、当然読者はチャートの表示自体も信用できない。
なので再確認を強いられるが、それもできないのが辛い。
例1:星座交換の事例で、水星と金星が交換とありますが、水星は定座なので交換しません。
例2:ムフルタの結婚の事例で、1/7室にダブルトランジットとあるが、
そもそもムフルタ自体がトランジットの一種である。
出生図に対するダブルトランジットならわかるが、ムルフタに対するトランジットとは意味不明。
P340のリビアの魚座新月図は特にひどいです。チャートと解説が全く違っている。
チャートではラグナが天秤座で4室山羊座には惑星はないのに、
本書の説明では「4ハウスのケートゥ」とある。
その後も「木星は10ハウスと12ハウスを支配」とか、
(実際は3・6室を支配。もしかして太陽から見て10室を支配し12室に在住のことをいいたいのか?)
「6ハウスは火星と土星に挟まれ」とあったり、
(実際に挟まれているのは11ハウスだが、太陽から見て6ハウスが挟まれていることをいいたいのか?)
1ページ丸々意味不明な記述が続いてる。
著者は太陽をラグナとしてハウスを見たのかもしれないが、
そもそもここは魚座新月図を使ってリビアとエジプトの違いを見るには、ラグナの違いが重要であるという論旨のはず。
なのに肝心のリビアのラグナについて何も書かれていないというのは、一体どういうことか。
よく考えればこの本のタイトルは「応用インド占星術」ではなく、「実践インド占星術」である
要するに前著の内容を延々と実践しただけということか。
地方在住で本を手にとって確かめようの無い方は、購入の際には注意した方が良いだろう。
星の数は1つでもよいのだが、分量も多く書くのが大変だったと思われるので、
その点を考慮して2つにさせていただきます。
※その後著者である本多氏より事実無根かつ執拗な迷惑コメントをいただいたので、
星の数を一つ減らすことにいたしました。