本書のボキャブラリーがちゃんとついていれば、資本政策の会話については困らないでしょう。
さて、ファイナンス系で平積みされる刊行物は増えて来ていますが、
読むべきか否かは、実務的な臨場感があるかどうか、一定の見識があるか。
その意味で、実務的な臨場感はもちろんですが、本書の冒頭にある図表でしめされている
「Life of a Company:企業の一生」仮説(=企業の成長ステージによって資金調達方法は変わる)
にはとても見識を感じた。すなわち、ステージそれぞれでファンドとの付き合い,銀行との付き合い、
そして複雑なスキームを駆使する段階へと変化してゆく。
ベンチャーファンドも持ち、シードの段階から企業との付き合いを深めてゆく、投資銀行ならではの
ファイナンスの理解の仕方として興味深い。
あと、とにかく論点の紹介がポイントを押さえており、
(企業価値向上の考え方、バリュエーション、M&A交渉、DD。自社株取得、配当還元政策)
#契約書作成事例、という節もあります。小見出しが噛み砕いて気が利いていますので頭に残り易い。