クライミングやバリエーションルートに興味があっても、身近に良い指導者がいない場合はなかなか一歩前に足を踏み出せないものです。一読してみて、本書はそうした悩み多きバリエーション指向の登山者に最適の一冊であると言えます。「あとがき」でも書かれているように、ビギナーからステップアップ中の立場とリーダーの立場、両方の視点を織り交ぜ、入門から中級レベルに到達するまでのひと通りが学べるように工夫されています。全部で6章から構成されていますが、それぞれの章でステップアップのためのテーマが決められており代表的なバリエーションルートのガイドを織り交ぜながら、それぞれのテーマに沿った技術や手法を豊富なイラストと写真により解説しています。ビギナーにとっても素晴らしい教本に仕上がっていますが、中級レベル以上の人が読んでも、これまで身につけてきた技術の再確認や自分の知らない新しい技術に触れるチャンスを提供してくれています。内容の濃さといい、目標にできる31本の好ルートガイドといい、良いことずくめの本書ですが敢えて不満を言わせてもらえば「活字がやや小さい」ことでしょうか。中年クライミング愛好者もたくさん読むことを考えると、この大きさはちょっとつらいかも・・。