著者は国家一種キャリアの道を捨て、民間の人材コンサルタントとして活躍している。「役人廃業.com」という公務員からの転職を支援するサイトも運営。タイトルからイメージされる「公務員のトホホな実態」といった暴露本を期待しながら読むと、裏切られるかもしれない。
むしろ、内容は本の帯にある「お役所バッシングが国を滅ぼす」の方が実態に近い。現在の公務員がどのように働いているのか、公的資料や統計情報の分析、著者の持つ人脈を生かしたルポルタージュなどを通して明らかにしている。類書の『公務員クビ論』(中野雅至、朝日新書)が理論的な枠組みの提示をしているのに比べると、地に足がついている。どちらがいいかは好みだろうが、泥臭い現場の雰囲気を感じたいならば、本書を勧める。
著者自身は公務員脱出組だが、本書全体に漂うのは「表層的な公務員バッシングは何も生まない」という強烈なメッセージである。現在の公務員制度が抱える構造的な問題を整理しつつ、「税金で食っているんだから、何を言われても文句をいうな」といった感情的な批判は無益であることもきちんと指摘している。
これからの公務員はどうあるべきか、建設的な議論をしていくための叩き台として、本書を勧める。