著者の作品はどれも、何も考えずに楽しめればそれでよし!的で、食べ歩きと全国の古本蒐集が好きなサラリーマンの無邪気なブログをまとめた一冊といった印象しか残らないので、一読したときには物足りなさが残ってしまう。
でも、肩の力を抜いて気軽に読めるという利点があるので、就寝前の睡眠導入剤?として結構愛読していたりもする。
で、そんな著者が書いた「新書」。しかも、タイトルは「定食“学”入門」だ。
だからなのか、定食“論”の章における文体は如何にも論文的になっている。著者の作品を初めて読んだ人にとっては、なんとも中途半端で面映く感じてしまうのかもしれないが、もともとの文体を知っている私のような読者には微笑ましく思えてしまう(筆者は著者とほぼ同世代)。
古本蒐集と言う趣味も生かされ多くの参考文献を駆使された定食“論”を興味深く読むことができた。楽しめればそれでよし、という著者の他の作品にチョッと学問的な要素をまぶしてみましたといった一冊だが、結構楽しむことができた。
ものすごくオモシロいということはないけど、なんとなく繰り返し読んでしまう。著者の作品自体が定食的なのかもしれない。
読者の満足度は別にして、これを書き上げた著者の満足度は高かったように思う。