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定本 柄谷行人集〈4〉ネーションと美学
 
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定本 柄谷行人集〈4〉ネーションと美学 [単行本]

柄谷 行人
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

帝国からネーション=ステートへ,そして帝国主義へという近代の推移のなかで,国民の同質性の基盤を形づくった美学は,他者に向けてはその無力化をもたらした.オリエンタリズムを克服し他者に出会うための根源的思索へ.

登録情報

  • 単行本: 267ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2004/5/27)
  • ISBN-10: 4000264893
  • ISBN-13: 978-4000264891
  • 発売日: 2004/5/27
  • 商品の寸法: 19 x 13.7 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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 本書で、サイードに託して著者自らを語ったと思われる部分がある。

 「彼がいいたいのは、他者が存在するということ、つまり、認識対象物にも美的対象にもけっしてならない個々の人間がいるということであり、それを抑圧するものに対して(中略)闘い続けるということである。」「美学の効用」(p171)

 ラカンのいう「ボロメオの環」(p21)のように強固なキャピタル=ネーション=ステートの三位一体に対する著者の闘いは、美学とその歴史に関する考察の中で、より射程が長くなっていると言える。

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形式:単行本
「カントとフロイト」についてだけ書きます。柄谷氏がどうしてあんなにNAMにのめり込めたのか、これを読んで、少しは理解できたように思いました(NAMの運動が、仮に中絶しなかったとしても、大変な困難に遭遇するだろうことはやる前から予想できたことで、当然柄谷氏もそう思っていたと想像しますが、それにしては、当時の氏が余りにも楽観的であるように、私には見えました)。たとえば柄谷氏は<まだ>、平和憲法の改正は国民が認めないだろう、と主張されていますが(p121)、本当にそんなに楽観できるでしょうか?

柄谷氏の理解するカントが正しいとするなら(それを疑う必要はありませんし、それどころかおそらくここまで精緻にカントを読み解いた人ははじめてでしょう)、カントは哲学者としてはずば抜けて優秀ですが、必ずしも世界をありのままに見ていないと思います。彼は、一言で言えば、正義は勝つ、と考えているロマン主義者のようです。たとえばシェイクスピアの描いた「悲劇」の何たるかが、ほとんど見えていない。柄谷氏は、このカントを経由することで、少し無理をしてフロイトをポジティヴに読もうとしているように感じられます。私にも、フロイトが人間性について肯定的に記している箇所を、氏が本書に引用している以外にも、指摘できます。それも確かにフロイトの一面ですが、全般的に、フロイトはもっと人間を冷ややかに観察していたと思います。そもそも「文化への不満」は、ロマン・ローランの言う「大洋感情」を否定するところから書き出されています。「死の欲動」は、内面化すれば良心になるが、外へ向かえば攻撃・破壊行動になる、とフロイトは考えていたはずです。そして「生の欲動=エロス」と「死の欲動=タナトス」のいずれが優勢であるかは、誰にも予見できない、とも。ーーフロイト(著作集3)に直接あたられることをお勧めします。
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形式:単行本|Amazonが確認した購入
 「友愛は、フランス革命における、職人的労働者たちのアソシエーションの表現であった。しかし、友愛は革命以後ネーションに吸収された。」「序説」(p27)

この一行だけでも著者が、前作『トランスクリティーク』から思考を前進させていることがわかる。実際には著者もあとがきで言うように前作以前の論考を含むとはいえ(『批評空間』『文學界』掲載)、著者にとって新たな地平を築くものだし、注などで軽く触れられる「普遍言語」の創設への意志など(p207,262。著者は前作で地域通貨というより代替通貨を提唱していた)、驚くべきことも多い。攻撃性の内面化が文化をもたらすという指摘など、この書全般で行なわれるカントとフロイトの『トランスクリティーク』(p69。相互的に読み合い、あらたな地平を切り開く)は、現在の世界状勢的を鑑みても考察を要するものだし(p58のネグリ『帝国』へのコメントが秀逸)、今後の、アソシエーション(友愛の経済的展開)に内面的な裏づけを与えるという点で、必読である。
 また、日本の明治以降の美学的及び内在的闘争、つまり「文化(ネーションと美学)」を扱ったこの書が、同じ著者の文学を扱った著作群(『日本近代文学の起源』など)と理論的な著作群(『隠喩としての建築』など)との「間」をつなぐ著作であることも追記しておく。

 個人的には、定本3が青色、定本2が緑色、この定本4がグレーといったように、デザイン的色分けも興味深い。

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