精神科医の著者の造語「定年性依存症」には「アルコール依存症」、「ギャンブル依存症」、「出会い系依存症」があり、そのきっかけや、特徴や精神的要因を分析する。依存症に罹る定年族は少なくないし、回復は難しいらしい。「アルコール依存症」の田中氏は、広告代理店で活躍するも閑職に異動し飲酒が益々増える。通院するも断酒が出来ない。そして定年退職で完全な「離脱症状(以前の禁断症状)」に。そして早々と逝った。 「ギャンブル依存症」の近藤氏は、大手旅行会社に吸収された植民地会社に勤務、同僚に誘われたパチンコのビギナーズラックでのめり込む。58歳で早期退職勧奨の拒否を機に、益々パチンコ漬け、そして借金地獄に。反省するも60歳の定年で再発再燃し、毎朝開店待ちの行列に。 「出会い系依存症」の渡辺氏は、自治体を定年退職し、62歳で出会い系サイトにはまる。 いずれも発症は定年前後だ。特にアルコールは、仕事依存症的な企業戦士の団塊世代が肩書、収入、立場、誇りを奪われた時に危ない。ギャンブル狂は、カネが欲しい、負けを取り戻す、そろそろ勝てる頃、ギャンブルの借金はギャンブルで返す、そして行きつく先は皆同じ、「悪魔のメリーゴーラウンド」だ。アルコール依存症には、若年発症と高齢発症があるが、特に若年発症は60%が入退院を繰返すか、死亡する。平均寿命は52.5歳。死因は臓器障害病死・自殺・転落事故だ。新聞訃報欄で大酒家で亨年50歳前半ならアルコール依存症の可能性が高い由。 各種依存症になる連中の共通点は「バランスの悪さ」である。仕事、家族、趣味等々にバランスが取れず、何かに偏り埋没してしまう人だ。人生を途中で振り返ったり、生き方をおかしいと意識的に変えられない人である。生き方が一本調子の人は危ない。